高市陣営「ネガキャン動画大作戦」の論功行賞で大臣補佐官に。文春砲が暴いた“SNS班責任者”の正体

 

文春砲が暴き出した「さらなる重大な事実」の内容

これはどういうことなのだろうか。文春が入手した木下秘書と松井氏のメッセージ記録などから、次のようなやりとりがあったことがわかっている。

木下秘書は「真実の政治」の動画について、総裁選期間中の昨年9月26日、「これからアップしてアカウントを送付いたします」と松井氏に伝えた。

想像するに、こういうことだろう。木下秘書は手持ちの写真などの素材を使い、「真実の政治」アカウントで投稿をスタートさせていたが、昨年9月26日に「これからアップしてアカウントを送付」というメッセージとともに、素材データとアカウントの管理権限を松井氏に引き渡した。

それを受け取った松井氏は、自身のAI技術をフル稼働させ、「真実の政治」だけでなく、YouTube、インスタ、TikTokなど複数のSNSアカウントへ、1日100~200本という、人力では不可能な規模でネガキャン動画を自動量産・大拡散させ、世論をハックしていった。

記事には他に以下のような記述がある。

木下秘書は「真実の政治」の動画内で使った画像の“元データ”を松井氏に送付していた。高市陣営が動画の作成・拡散を主体的に行っていたことを示している。

衆院選でも木下秘書は、馬淵澄夫氏、安住淳氏ら、中道候補への中傷を具体的に依頼。投開票後には「旧立憲民主の害虫をたくさん駆除することができました」と、松井氏に送信した。

高市陣営が主体的にSNSでの誹謗中傷動画作戦を実行していたのは確実だと文春は指摘する。高市氏が自民党総裁になり、首相にのぼりつめたのも、衆院選で歴史的な大勝利をおさめたのも、このような裏工作の成果なのかと思うと、空恐ろしい。

そして、木下秘書と松井氏が総裁選告示の2日後に交わしたショートメールから、文春砲はさらなる重大な事実を暴き出す。

まず、松井氏が「明日21時~Zoomミーティングよろしくお願いいたします」とウェブ会議のリンクを送信。すると木下秘書はこう返信した。

「よろしくお願い申し上げます。明日は、うちのSNS班の責任者の西田と統括のNも参加させていただいてよろしいでしょうか?」(注:Nは実際は実名)

松井氏は「もちろんです」と返答した。この会議で、松井氏は西田氏らと総裁選の情勢等を相談し、「小泉氏へのアンチ7割、林氏アンチ1割、高市氏のポジティブ動画を2割」作ることで一致したと証言している。

この「西田」氏とは、実は自民党や日本維新の会に所属した元衆院議員の西田譲氏なのだ。

ここで初めて西田譲氏の名前が出てきた。西田氏は高市陣営の「SNS班の責任者」だった。つまり、木下秘書のSNS活動も、西田氏との相談のもとに行われていた可能性が濃厚だ。さらに驚くべきことに、陣営の総指揮にあたる選対責任者こそ、高市政権発足と同時にこども政策担当大臣に就いた黄川田仁志氏なのである。

総裁選後、SNS作戦の総合プロデューサーとして大成功をおさめた西田氏をどう処遇するかは、高市陣営にとって最重要事項の一つとなったに違いなかった。裏工作の全貌を知る西田氏を「野に放っておく」のは危険だ。そこで考え出されたのが、黄川田氏の補佐官という役どころだったのだろう。国費を使って西田氏を抱え込み、いざというときにはSNSチームを再稼働することもできる。ちなみに、大臣補佐官の推定年収は2,000万円近いといわれている。

文春が報じたこの問題について、テレビ、新聞など記者クラブ加盟のメディアは素知らぬ顔で沈黙を保っている。権力組織から提供された情報しか安心して取り上げようとしないこの国のメディアの体たらくは相変わらずだ。

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