高市陣営「ネガキャン動画大作戦」の論功行賞で大臣補佐官に。文春砲が暴いた“SNS班責任者”の正体

 

「私は秘書を信じます」とうそぶくのみの高市首相

国会でこの件を追及された高市首相の反論ぶりも「そのような動画を作成して発信するといった事は一切行っておりませんと報告を受けております」と回りくどい。野党議員に「記事は捏造なのか」と問われて、それにはまともに答えず、「週刊誌の記事を信じるか秘書を信じるかっていうと私は秘書を信じます」とうそぶくのみ。真摯に向き合う姿勢は全く見られない。

SNSを使って他陣営を誹謗中傷したとされる張本人が、子供たちをSNSから守るための規制を考える側の椅子に座っているというブラックジョークのような現実について、なんの痛痒も感じないのだろうか。

筆者が心配するのは、AIを使い匿名で他候補を叩き潰すという手法が、今後の日本の選挙戦において「勝てば官軍の裏ルール」として定着してしまうのではないか、ということだ。かつて、他候補の足を引っ張る「裏工作」には、莫大な資金と人手、そしてリスクをともなった。しかし、AIの登場によってそれはがらりと一変した。

松井氏の「1日100~200本」という証言が示すのは、ネガキャンがAIによって大量高速生産される時代に突入したということだ。匿名アカウントであっても、AIで「刺激的な動画」を数百本単位で絨毯爆撃すれば、どれか数本くらいはバズるだろう。

現行の日本の法制度は、このステルス作戦に対して現実的には全く「無力」だ。被害者側が発信者情報開示請求をしても、特定するまでに数ヶ月から半年もかかるため、「投票日までに相手を社会的に抹殺するほうが勝ち」というモラルハザードが成立してしまう。

選挙が「嘘と誹謗中傷の空中戦」に変貌するとしたら、日本の民主主義は壊滅する。「勝てば官軍」の裏ルールをハックした者たちが、涼しい顔で国のかじ取りを担う。私たちは今、そんなディストピアの入り口に立っているのかもしれない。

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