残るのはトラウマだけ。子供に対して絶対に言ってはいけない言葉とは

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例えばお子さんが描いた画を見せに来た時、あなたはどんな言葉をかけますか? 現役教師の松尾英明さんは、街で遭遇したある母親のひとことに衝撃を受けたそうです。ご自身のメルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』でそのシーンを紹介しつつ、子供に対して絶対に取ってはいけない言動について記しています。

子どもの作品をけなさない

最近あった、ある水族館での出来事。

水族館内のあるコーナーの遊び場。大きな画面があり、さまざまな魚が画面内を泳いでいる。自分が書いた魚が画面内を泳ぎ回るというもの。子どもたちが自由に描いて、それを「水槽」に放つ。見ていて楽しい。

我が子らも個性的な魚を描いて、ついでに自分の名前も入れていた。親に似て、なかなかに自己主張の強いやつである。大いに褒めた

隣で、5~6才ぐらいの子どもが、ニコニコしながら同様に魚を描いていた。画面に大きくポンっと出た。瞬間、母親と思しき人の口から出た言葉が「何これ、ださっ。」であった。その子どもは、何も言わずに魚を眺めていた。

ここで「あんたねぇ」とは、もちろんいかない。休日の穏やかな時間に、見知らぬ家庭の親を説教する気合いはない。

ただ、暗澹とした気持ちになり、思うところはあった。

これは、遊びである。だからこそ、「うまく描く」必要はまったくない。楽しく描いたものを褒めてやればいい。それだけの話である。

子どもには、ブラックジョークは通じない。「けなして褒める」という手段であっても、あくまで大人向けである。例えば「お前みたいなバカはいない」という褒め方は、子どもには通用しない。直接的に「発想がすごい!素敵!」と褒めてやるに尽きる。

「上手い下手」という話でいえば、どんなに上達しても、上には上がいる。この例でいえば、本当はその親に「じゃああんた手本を描いて」と言ってやりたい。それで、周りの人に評価してもらえばいい。まず怖くて描けないはずである。

常に比べていたら、永遠に自信が持てない。

下のレベルの人と比べない。傲慢になるだけである。以前の自分だと思って、温かく見守るか励ます。

上のレベルの人と比べない。自信を失うだけである。まだ見ぬ自分だと思って、憧れをもって教えてもらい、学ぶ。

子どもをけなさない。まして他人と比べない

子育てどうこう以前に、教育全般の超基本中の基本である。

image by: Shutterstock

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「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術
著者/松尾英明
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