成功する者はみんな「ハッタリ」を言う。有名起業家に学ぶ知恵と戦略

 

「起業」の知恵 

作家の林真理子さんには「野心のすすめ」という本があります。野心とは「分を越える(ように見える)大きな望み・たくらみ」とあり、林真理子さんは最初コピーライターとして名を成しましたが、さらに野心を持ったがため夢である「直木賞」を受賞するに至りました。屈辱感をバネにした野心でチャレンジしたから受賞できたと述べています。

林真理子さんは「この今の舞台」から「今でない、悲願の舞台」にジャンプを決行したのです。ここで大切なのは、「屈辱感」と「野心」を相乗効果作用としての大きなエネルギーとしたことで、このことなくして「成功のゴール」に向けての弛まぬ「地獄の特訓」を自分に課すことは不可能です。

私見ですが、裕福な家庭が崩壊して貧乏のどん底に落ち込んでしまったとか、失恋の大痛手を味わったとか、林さんのように屈辱を味わったとかが心に「野心」に火をつけることもあります。その一方で、子供の時からの夢とか尊敬する人から聞いた一言とか「感動」が創造的な野心に火を灯すこともあります。

少し脱線して軍隊の参謀本部について話題を移します。もともとドイツの参謀本部が始まりですが、ここでは理想の参謀像が定義されています。それは「野心」と「能力」を基軸とした評価分類で、もっとも理想とされる参謀が意外なモデル像「能力があり」『野心がない』者としています。

このことは『野心』とは何かを、なんとなく明らかにします。「参謀」に求められるのは「機能」ですが、「機能」が「思惑」を持つと誤ります。逆説になりますが、経営者にもっとも必要なのは「能力」つまり「機能」では事足りなくなく「野心」という「炎」がなければ始まりません。

少し付け加えますが、経営者に求められる野心と参謀である管理者や専門家に求められる貢献は真逆です。管理者や専門家に求められる貢献は「匠」や「コーチング」への向上心で、一番困る組織を機能不全に導き害をなす「権力欲・物欲」への野心です。ドラッカーは、マネジャーに必須の資質は「真摯さ」だと言っています。

そうしたら「野心」は社会に役立たないのかということになります。稲盛さんは「小善は、大悪に似たり、大善は、非情に似たり」という言葉をよく使われるそうです。鍵は「大善」をなす「野心」であり、さらに「大善」をなすには「小善」ではなく「非情に似たり」の人を育てる厳しさが求められます。

林真理子さんの「作家の地位」に登りつめる話に戻します。ここには、「今でない、悲願の舞台」に至るための方程式があります。そのキーワードは「野心を持つこと」「舞台転換をはかること」「光る知識のために集中投資をすること」「一番にふれること」です。ここにこそ「今」と「未来」を断絶させる成功の知恵があります。

「一番にふれる」ことについて、ソフトバンクの孫さんの言を聞きます。「組む以上はナンバーワンのところと最初からがっちり組む。そのために全ての精力をつぎ込む。組むことに成功すれば、あとは黙ってもすべてがうまくいく」この知恵でもって、成功の方程式をすべて満たされることになります。

次ページ>>知恵の巨人から学ぶ、知恵を発揮する方法

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