成功する者はみんな「ハッタリ」を言う。有名起業家に学ぶ知恵と戦略

 

「知恵」の巨人たち

基本戦略は経営者の持つ知恵に導かれます。経営者に知恵の力量がなければ、企業が正しい方向に向かえません。知恵には機軸が必要で、マーケティング「私の顧客のより以上の願望に奉仕する」、イノベーション「知恵によりその方法を発明・発見する」です。知恵の巨人たちからその知恵の発揮の仕方を見ていきます。

カッコーよく言ったあとに付け加えなければならないことがあります。経営は現実の環境の中にあり、生き残らなければなりません。生き残るためには、最善の知恵を絞り多くのリスクを賭け更なるチャレンジをしなければなりません。そのためには利益を得なければならず、ここも「」になります。

 

<鈴木敏文さん>

セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文さんの他に類を見ない知恵の出し方と、その実行に際しての実利的な冷徹さは特異です。コンビニへの進出や、POSの導入、業務改革での在庫削減、ロス対策で、その格闘の仕方は、制約条件を一切無視して正しいと論理展開すると核心に切り込んでいって「あるべきよう」に現実的に処理していくようです。

 小売業の範疇を超えてコンビニエンス(利便性)に焦点を絞り消費者のニーズに応えて、POSは売れている商品を単品で明らかにするだけでなく商品企画の仮説検証のツールとし、業務改革では売れ筋商品の集約化で在庫を減らしかつ商品回転率を高めて無駄な商品投資を削減をはかっており、すべては顧客視点の正統の論理発想を行っています。

 

<孫正義さん>

孫さんは自分の会社のことをベンチャー企業だと言っています。ベンチャー企業だといえば、思い切りのリスクを恐れないイメージです。孫さんは確かに思い切りのリスクにチャレンジに賭けてジャンプします。しかし、決して能天気なマネジメント思考を取っていません。自身が論理構成した「孫の二乗の法則」でそのことを示しています。チャンスを生むためには、一番最初にグローバルスタンダードになれかつ一番になる機会にチャレンジしなければなりません。しかし、本体が破たんしないようにもしなければなりません。合理的なリスク・ヘッジとして、買収したボーダーフォンは別会社です。人材育成・獲得機関として、「ソフトバンクアカデミア」を開校しました。

 

<藤澤武夫さん>

ホンダの藤澤武夫と言う名前は決してメジャーではないのですが、そのロマンチシズムの「非情似たり」の知恵にはアートがあります。現実の企業経営の中で「ええカッコーでやろう」するなら、余計な知恵の負担を背負ことになりますが、けれど「独自の強み」も生まれます。藤沢さんの幸運は、最高のアートの素材となる本田さんを得たことです。

 技術知識)こそホンダの命です。自動車が好きで好きで仕方なかった本田さんのスピリッツを引き継がなければ企業は存続しません。それを実現させたのが、「専門家」が主人公の本田技術研究所の設立です。また、経営のスピリッツを継承させたのが「役員の大部屋制」です。

 

<ジャック・ウェルチ>

GEというアメリカの超一流の企業名ましてやジャック・ウェルチの名前は日本での認識があまりないのですが、その知恵は突出しています。ジャック・ウェルチは「価値観」を最も重視し、共有できない者は能力があっても最上の評価をしません。その価値観とは何か「一番かもしくは2番」です。「一番かもしくは2番」になるために余計なものは要らず、そのためにあらゆる方策を、ただそれのみに焦点を絞って実行します。一番不要なものは、官僚と多すぎるスタッフと働く気のない人たちです。要るのは一番になる事業と、すべての従業員の知恵とやる気とその協調です。ただ知恵不足なのか、ファイナンス事業ではヘマをしたようです。

image by: Shutterstock

 

戦略経営の「よもやま話」
著者/浅井良一
戦略経営のためには、各業務部門のシステム化が必要です。またその各部門のシステムを、ミッションの実現のために有機的に結合させていかなければなりません。それと同時に正しい戦略経営の知識と知恵を身につけなければなりません。ここでは、よもやま話として基本的なマネジメントの話も併せて紹介します。
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