本や音楽は「ごった煮ビュッフェ」時代へ。それでもコレなら選ばれる

 

自分はプリンを製造するメーカーで、これまではプリンをお店に卸していて、そのプリンのファンが直接、お金を出して買っていた。

それが、食べ放題のビュッフェでたくさんの料理が並ぶうちの一品になるということです。

そのプリンを手にする人は、今度は別にプリンのファンでもない人で、

「別に甘いものが好きではないけど、どうせ食べ放題なんで、取ってやるか」

という全く愛のない人が一口だけ食べて捨てる、そんな人も許容しなければならなくなります。

その人がお金を払っているのはあくまでもビュッフェ全体に対してであって、そのプリンは、ビュッフェの豪華感を演出するための一つに過ぎないという存在になります。

Kindle Unlimitedもまさにそうで、一生懸命作った本を、今まで気になる人が1,500円で買ってくれていたのに、今度からはそれ以下の金額で別に読みたくもない人がダウンロードするようになった、というわけですね。

そうなってくると、「今まで苦労して本を作っていたのは何だったんだ」という筆者や編集者も、多く出てくるでしょう。

もちろん、「そこに参加しなければいいじゃないか」と思われる方がほとんどだと思いますが、参加するかしないかを決められる権限を持つのはあくまでも最終的な権利を持つ人間です。

例えば音楽で言えばレコード会社、映像で言えばテレビ局、書籍で言えば出版社で、その制作者や関わった人たちは、何も言えずに決められてしまうことがほとんどです。

そして、こういう流れは創作物だけでなく、もしかしたらあらゆる業界に当てはまるかもしれません。

print
いま読まれてます

  • 本や音楽は「ごった煮ビュッフェ」時代へ。それでもコレなら選ばれる
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け