1%の客を狙え。セレクトショップSTUDIOUSが急成長できたワケ

 

まとめ(戦略ショートストーリー)

20~30代のファッション感度の高い若い世代をターゲットに「コアなファンを大事にする文化」に支えられた「友達感覚の接客」という強みで差別化しています。

デザイン性の高い衣類や雑貨を取り揃え、「たとえ嫌われても積極的に話しかける」をモットーに、丁寧な接客を徹底して行うことで顧客の支持を得ています。

■分析のポイント

「1%の顧客を狙う」

ステュディオスはいい意味で割り切っており、99%の方に嫌われても、1%でも好きになってくれる方がいるなら、嫌われる覚悟を持って積極的に話しかけるという方針をとっています。販売員に話しかけられることが嫌な方も少なくないと思いますが、そういった方はステュディオスのターゲットではないということが明確です。

このような割り切りはユニクロなどの大手企業には真似できないでしょう。なぜなら、ユニクロはリーズナブルな商品を大衆向けに販売する戦略をとっていますので、真似をするためには、根本的に戦略を変える必要がありますが、それは現実的ではありません。

例えば、1人の顧客に30分も接客をするためには、スタッフの人数を大幅に増やさなければなりませんし、商品の単価が低いため、丁寧に接客したとしても客単価の向上はそれほど見込めないでしょう。

つまり、真似をしたところで、売上はそれほど上がらず、人件費が大幅に増加し、利益を確保することが難しいので、そもそも、真似をするメリットがありません。ですので、真似できないというよりは、真似をしたくないということになりますね。

大手の戦略の定石として、同質化という手法がありまして、これは、業界のリーダー企業が、差別化で挑んでくる競争相手に対して、その競争相手の強みを取り入れて、競争相手の強みを強みでないものとするという手法です。

ここでのポイントは、ステュディオスがとっている戦略は、リーダー企業からみても真似をしたくない戦略となりますので、これは同質化されにくいということでもあります。

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