三角大福中にYKK。「派閥政治」全盛の懐かしき昭和を振り返る

 

YKKで政治をかきまわし、政治を活性化しよう!

このYKKは派閥かというと、必ずしもそうではなく、3人とも出身派閥が違う。加藤氏が、腹を割って話せる仲間をつくろうじゃないかと山崎氏にもちかけ、もう一人誰を入れるかとなった時に「小泉氏はどうだ」と山崎氏にいうと「小泉氏は少しエキセントリックじゃないか…」ということだった。そこで、加藤氏が小泉氏と話をして、小泉氏は「俺はエキセントリックだよ。でも、面白い男だ」ということで、3人で政治をかきまわし、政治を活性化させるために時の権力者に対してモノを言っていこうというグループが結成された。

戦国武将に例えるなら…

3人を戦国武将に例えると、以下のようにいわれている。

  • 家康タイプ=山崎拓氏(鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス)
    自分の手でに政権が掴み取れるまで、自然に任せた
  • 秀吉タイプ=加藤紘一氏(鳴かぬなら、鳴かせてみようホトトギス)
    「加藤の乱」を起こして失敗するが、織田信長の草履を懐に入れて信長に自分の存在を認めさせたように、頭を使い、知恵を使い出世していく
  • 信長タイプ=小泉純一郎氏(鳴かぬなら、殺してしまえホトトギス)
    反田中勢力、郵政民営化のように乱を起こすタイプ。徹底的に中世的な勢力を打破し、自分に反抗する勢力を打破して力づくで登りつめる

政治の活性化と共に派閥の衰退となったYKK時代

YKKは政治を活気づかせた。自分に抵抗する勢力に歯向かい、打破し、そして小泉氏は力づくで政権を取っている。小泉氏が政権の座についた際、YKKは味方したのかというと必ずしもそうではなくそれぞれ別の活動をしている。しかしながら3人はしょっちゅう集まっていた。YKK秘録を読むと、月に2、3回は料亭に集い、政治を活性化させるための議論をしている。

一方で派閥は諸悪といわれ、派閥が急速に衰退し始めた。これはなぜかというと、「政治とカネの問題」が大きい。派閥順送りの人事が適材適所でない人事を生み、派閥間の抗争「角福戦争」などがしばしば政治的混乱をもたらしていた。総理、総裁の座を巡る熾烈な戦いが、結果的に「政治とカネ」の問題を引き起こし、族議員が出現し、金権政治が批判により汚職が明るみとなった。このことによって、この頃から「派閥」はよくない流れになっていく。

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