マンションを暮らすために購入するのではなく、投資目的で購入する人は、きちんと管理されていて資産価値が高いマンションばかりを対象と考えるのではなく、投資額と家賃収入を計算して、数年の利回りで十分儲けられればOKという選択もあるのです。いよいよ住めなくなって借り手がつかなくなっても元をとっているので、資産価値ゼロでもいいのです。まさに使い捨てです。そういう状況では、管理の正常化は不可能です。でも、区分所有者は、スラム化して価値がなくなった建物を放棄することは許されないのです。
では、最後はどうなるでしょうか。
会社所有にしていたら個人の責任は免れる。で、その会社が倒産しちゃったら(させちゃったら)…、破産管財人はどうするんだろう。こんな負の財産…。ものすごくたいへんなことになりそうです。
経済格差が広がり、最近、「ハウジングプア」という言葉で、低所得者の住宅の貧困がクローズアップされています。収入が低い人にとって、家賃の負担は非常に大きいのです。これを放置はできません。かといって、この家があまっている時代に、公営住宅を造って「ハウジングプア」を救済するというのは、ありえません。
マンションの空部屋の活用による低所得者の住宅確保の仕組みや、同時に、「ハウジングプア」対象の貧困ビジネスで、マンションの維持管理を放棄する区分所有者を逃げ得にしない対策も必要だと思いました。
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