57%が過労死ライン。それでも教師のいじめ無視が許されない理由

 

4月26日には仙台市で中2男子生徒が自殺し、5月5日の早朝、埼玉県川口市において中3女子生徒が死亡するという自殺事件が相次いでいます。残念ですが、いじめが起きていた可能性が高いようです。

特に仙台市は、2014年9月の中1男子、続いて2016年2月にも中2男子と相次いで自殺事件が起きています。その都度、学校教育委員会の対応のまずさひどさが問題として指摘され続けています。

今回も仙台市教委は、「いじめはなかった」と会見した4日後に、突然、「いじめはあった」と認めたのです。河北新報の記事を下記に引用いたします。

曖昧にしていたいじめの有無は、わずか数日で「ない」から「ある」に一変。
(中略)
見解の修正・撤回に影響したのは文部科学省の意向だ。文科省は1、2の両日、市教委に対し、今回の問題をいじめ防止対策推進法が定める「重大事態」と捉えるよう指導。

 

市教委は2日、今後は重大事態として調査を進める方針を決めた。市教委幹部は29日の会見で当面、一般的な自殺事案として扱う方針を強調したが、文科省の指導で1日に「重大事態と同等」(佐藤正幸市教育局次長)と転換。2日には完全に軌道修正した。

文科省が何も言わなければ、いまだに「いじめはなかった」といい続けていたかもしれません。文科省の指導は当然のことであり適切であったと思います。その後の報道では、昨年の6月には、本人がいじめを訴えていたことが判明しています。いじめのアンケートにもいじめられていると回答していたというものです。また、学校も両者の指導に当たったことが報道されています。つまり、「知らなかったはずはありません。必ず明らかになる事実を隠そうとするとは、あまりにもお粗末です。

遺族や無くなった生徒への冒涜的な行為だと言わずにはいられません。仙台市は、事件のたびに対応を強化することを繰り返し表明してきたのですが、体質改善には至っていなかったのです。なによりも「組織を守るため」という閉鎖的思考が優先されているのです。

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