退職後に就業中の問題行動が発覚。それでも退職金は出るのか?

 

また、「不支給一部不支給とするのはどの様な場合か、必ず、具体的に定めておいてください。具体的でなければ、その定め自体が無効とされる可能性がありますし、従業員の不当行為に対する抑止力も働きにくくなります。

懲戒解雇はもちろんですが、「それと同等の事由がある者」や「会社所定の手続きを踏まずに退職した者」も、減額の対象者として定めておきましょう。

また、「不正の疑い」などがある場合には、その疑いが晴れるまで、「支払いを保留できる定めも必要です。一度支払ってしまった退職金を返却させるのは、かなり難しい。ですから、支払う前に、じっくり調査・検討できるよう、「支払い保留」の定めが必要です。

もともとの支給時期も、少し余裕を持って、長めに定めておくとよいでしょう。「退職後すぐ支給する」とはせずに、「退職後3ヶ月以内に支払う」くらいの定めは如何でしょう?

退職後に就業中の問題行動が発覚することは、よくあります。不正が明るみに出ることもあります。退職後3ヶ月くらいは、そういったことがないか様子をみる期間だと思って頂ければ良いのではないでしょうか。

以上を踏まえて、あらためてお聞きします。

「御社の就業規則には、退職金の定めがありますか?」

image by: Shutterstock.com

飯田 弘和この著者の記事一覧

就業規則とは、入社から退社までの「ルールブック」であり、労使トラブルを未然に防ぐ「ワクチン」であり、効率的な事業運営や人材活用を行うための「マニュアル」でもあり、会社と従業員を固く結びつける「運命の赤い糸」でもあります。就業規則の条文一つ一つが、会社を大きく発展させることに寄与し、更には、働く人たちの幸せにも直結します。ぜひ、この場を通じて御社の就業規則をチェックしていただき、問題が生じそうな箇所は見直していただきたいと思います。現役社会保険労務士である私が、そのお手伝いをいたします。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ 』

【著者】 飯田 弘和 【発行周期】 週刊

print
いま読まれてます

  • 退職後に就業中の問題行動が発覚。それでも退職金は出るのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け