ア段の発音については、このメルマガでも以前から何度かお話ししてきたとおり、五つの母音のうち一番大きく口を開かなくてはならない音であるため、横着になりがちなのです。
小さい口から大きい口へと動きのある言葉、例えば「イ→ア」が、ヤ「ウ→ア」が、ワとなってしまいがちなのですね。
ですから、ア段の音が続く言葉では、あえてアを「粒立てて」発音してみる気持ちが必要です。
もうひとつ「サ行」をしっかり出すことについてですが、サ行は甘くなるとファ、のような曖昧な音になりがちで、それが「だらしない」印象を与えてしまうものです。
サ行をしっかり出すためには、まずサ行の音がどんな音であるべきか、自分の口で試してみることをお勧めします。
上下の歯を合わせておいて「スーーーー」という音を出してみて下さい。
さらに歯を離す瞬間に「サッ」と力強く音を出してみて下さい。
そうです!そういう過程を経てサの音は出ているんですね。
ではそのサ行をより綺麗に発するためにはどうすればよいのでしょう?
何度か、それをやっていると、気づくことはありませんか?
それは、「唇が被ると、サ行は濁る」ということです。
逆に言うと、サ行をクリーンに発音するためには、歯の動きを、唇に邪魔させない、ということです。
「爽やか」と言われる人が決まって白い歯をしているのは、単に本当に歯が白い、というだけではありません。
爽やかに見える、というのは、白い歯がちらっと見えるぐらい、唇が広がって、歯の動きを邪魔していないことの現れでもあるのです!
唇を大きく開かなくても、口の中の空間を大きく開けることはできますが、
唇を開かないと、音に爽快感がでないのです。
ここがポイントです。
その結果、サ行をしっかり出そう、と心掛けると自然に笑顔が爽やかになる、というわけなんですね。