「問題なし」は問題アリ。ビジネスマンが身につけたい問題発見力

 

2つ目の問題の捉え方は、現時点での理想を追求していくことによって、問題をあぶり出していく捉え方です。現時点において理想的な基準となっているものを明確にして、その理想的な基準と現在の基準との差を問題として捉える考え方です。

例えば、お客様に商品を届ける日数が、現在の基準では5日間になっているとします。理想だと想定する日数が3日間だとします。現在の基準である5日間と理想的な日数である3日間の差を問題として捉えることになります。「お客様に届ける日数は5日間」という思い込みがあると、それが既成概念となってしまい、それを問題として気づいたり、見つけたりすることは難しいでしょうね。

先ほどの子どもたちが、おもちゃを散らかしている状態を例に考えてみます。現時点の基準が、部屋をきれいにすることとします。この基準だと、部屋をきれいにしたらいいので、散らかしているおもちゃを大きな箱に適当にポンポンと入れることで、部屋をきれいにするという基準は満たすことができます。

そこで、1つひとつのおもちゃを決められたところに戻すことで、部屋をきれいにすることを理想的な状態と想定します。現在の大きな箱におもちゃを入れて部屋をきれいにする状態とおもちゃを決められたところに戻すという理想的な状態とのギャップを問題として捉えることができます。

現在の状態姿が既成概念となって縛られてしまうと、こういった問題の捉え方をすることができず、現在の状態を問題として表面化させることはできないように思います。ここでは、現状の基準に甘んじるのではなく、もっと進化していくことを目指して理想的な基準、状態を想像することが大切になってくるのではないでしょうか。

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