現役アナウンサーが解説。端的に表現、説明し尽くせる人の話し方

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人前で話すあらゆるシーンに役立つプロの技を伝えてくれるメルマガ『話し方を磨く刺激的なひと言』の著者で、現役アナウンサーの熊谷章洋さん。今回は、前回の「話し方で悩む人に共通する話の始め方」からさらに進んで、話すべきことを小分けにして分類しておいてから話す「横着ファイリング話法」を伝授します。

話し方の悩みを解決する、横着ファイリング話法とは?

話が長くなりがちな人、うまくまとまらない人、端的に説明できない人、途中で何を言っているのかわからなくなってしまう人、頭が真っ白になってしまう人、オチがない、結論に至れない…。

こういうお悩み、苦手意識を自覚している人に共通する、頭の中のモヤモヤ、話してスッキリできない原因は、いざ話そう、話さなくてはいけない、というその瞬間に、たくさんの思い、情報=話すべきでは?と認識する事項を抱えすぎている、ということです。

前回の記事ではそれを、頭の中の情報が、ごちゃまぜの豆がざっくりザルに入っているような状態で、話し手はそれに、いきなり手を突っ込んでしまうからだ、と喩えてお伝えしました。

ではいっぽう、話してスッキリできる人、頭の中を表現し尽くせる人はどうかというと、

  • 「今からどういう話をすべきか
  • 「今から話すことに求められること、必要な情報は何か?

を、

  • 話し始める前にそれを認識し
  • 話す本人が自分で「話す範囲を限定」すること

ができるんですね。今回はこの話し方について、さらに解説します。

この話し方をひとことで名付けるならば、「横着ファイリング話法」です。まずはその「横着」について。話をする時、例えば、〇〇について説明してくれ、と言われた時。誰しも、頭の中は情報がごちゃまぜの状態です。

もちろん普段から、何らかの自己基準でまとめている話題であったり、〇〇について、理解が深い状態であったりすることはあると思います。でも、話す時の言葉や語順、構成には、まとまってはいないはずです。「考えている」のと「それを話す」のとでは、使う回路が違うのです。

では、話の上手な人は、この、ごちゃまぜになっている頭の中の情報を、どう整理しているのか?というと、いきなり、むやみやたらには「整理しない」んです。情報を整理しない代わりに何を考えているかと言うと、

  • 「どうすれば、楽に話せるか?
  • 一撃で、効率的に、相手を満足させれらるか?」

と、ちょっと表現が悪くなってしまいますが、より横着に楽して完遂する方法を考えているんです。具体的にどういうことなのかというと、

  • 「自分が話す範囲を、可能な限り狭めること」
  • 必要なことだけに集中すること」

です。〇〇についての説明を求められた時と、ひとくちに言っても、話して聞かせる相手の理解度が違ったり、相手の人数に応じた、必要な情報量の最大公約数など、その都度、状況は違いますよね。つまり、その場、その時々で、必要な話は違うんです。

ですから、まず、今、この場で求められている話はどういうものか?を固めてから、それに必要な情報を必要な分だけ、頭の中から拾ってくる。だから、「いきなり、むやみやたらには」情報は整理しないんですね。

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