【書評】動物行動学研究家が看破、リベラルの正体はモテない男だ

 

動物の最も重要な課題は、次の世代そのまた次の世代に自分の遺伝子をいかに多く残すかにある。浮気をしてあちこちばらまくタイプと、手堅く奥さんをガードし、子育てもしっかりやるタイプもいる、ということである。竹内は、浮気を通じて人間は脳が発達し、言語能力が高まったという『浮気人類進化論 きびしい社会といいかげんな社会』を著し、浮気推奨本だと批判されたことがある。

竹内は「浮気」という言葉が嫌いだ。単なる「浮気倫理に反するという価値観を導入しているのは人間だけだ。「浮気」は動物学では「ペア外交尾」と表現される。人間は非常に特殊な生物だ。なぜなら一夫多妻でも、一夫一妻でも、その夫婦がしょっちゅう別行動をとるのは、哺乳類の中では人間だけだからだ。ほかの哺乳類はペアになったらずっと一緒に行動する。なぜなのか?

そうしなければ、メスが他のオスと交尾をするおそれがあるからだ。だから、オスが必死になってガードする。そういう自然界の常識とは裏腹に、人間はなぜか別行動をとる。浮気が発生するのは当然だ。だから、浮気がいけない、倫理に反するというのは、言葉によって他者をコントロールできるようになった人間の特有な価値観であり、単に浮気に成功できない冴えない男たちのプロパガンダではないかと思う、という竹内。そーだったのか。

浮気はオスの専売特許と思われがちだが、メスだって浮気をする。ただし、相手は自分の亭主より質のいいオスに限る。「考えてみて下さい。自分の亭主より劣っているオスと、わざわざ高いリスクを冒してまで交尾する必要がありますか。浮気が成就できるできるオスは、メスから見て非常にレベルが高い。川村さんは浮気に成功されたんですよね(笑)」。そうなんです。川村は不器用でバカ正直で……。

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