なぜ文学博士は、不登校の子供を「親孝行な子」と言ったのか

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ある日突然我が子が不登校となったら、皆さんはどう対処されるでしょうか。嘆いたり、叱ったり、ネガティブになってしまう方もいるかと思われます。文学博士の鈴木秀子さんの元にも、そんな相談が舞い込みました。鈴木さんはどのように対応されたのでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』に詳しく記されています。

明るい笑顔が戻った、ある母親の話

最新号で鈴木秀子さんが取り上げているのは、詩人カリール・ジブランの作品です。深い知恵に飛んだジブランの詩には、苦悩の中に生きる私たちに大きな力を与えてくれます。

成績が優秀だった息子さんが突然学校に行かなるという状況に直面した母親。その母親が相談に訪れるところから話は始まります。

人生を照らす言葉 鈴木秀子(文学博士)

ある時、一人の母親が私の元にやってきました。成績優秀だった息子さんが突然学校に行かなくなったという相談です。ひと通り話を聞き終えた私は、

その子は本当に親孝行な子ですね。お母さんに何かを気づかせようとしているのでしょう」

と伝えました。すると、母親は途端に険しい表情を浮かべ、

私たちがこんなに辛い思いをしているのに親孝行な子なんて……」

と怒りながら帰ってしまいました。その母親が再び訪ねてきたのは1年ほど経った時です。そして、

「あの時は怒ってしまいましたが、親孝行の子だという意味がようやく分かりました

としみじみと話し始めました。

母親は息子さんがなぜ学校に行かなくなったのかを考えているうちに、

「子供の中に何か吹っ切れないものがあるに違いない。もしかしたら、それは親に対する反発なのかもしれない」

ということに思い至りました。父親と二人でよく話し合う中で、お金さえあれば楽な生き方ができると考えたり、世間的な目ばかりを気にしたりして生きてきたことがいつしか子供の心を傷つけてしまったことに気づいたといいます。両親が

「息子は自分で時間の過ごし方を選んでいるのだから、それを尊重することにしよう

と考えるようになった頃から息子さんの性格が明るくなり、親子で普通の日常会話ができるようになりました。そして最後には

「僕はお父さんお母さんの子供に生まれてよかった

という言葉を口にしたというのです。これは両親にとって全く思ってもみなかったひと言でした。

「私たちはあの子が普通に学校に行っていたら、決して分からなかった大きな喜びを体験することができました」

そう語る母親には明るい笑顔が戻っていました。

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