新元号発表を見てわかった。日米の最大の違いは政治家の所作だ

 

例えば、ヘンな話。あからさまにヘンな例え話ですが、もし、僕がICHIRO選手とまったく同じくらいの野球の才能と、まったく同じくらいの身体能力があったとして。まったく同じ大記録を打ち立てたとして。そこまで勝手にシュミレーションして。MVPだの、安打世界記録だの、10年連続200本だの、同じように出来たとして。それでも、彼が昨年から今年にかけて実際にやった「レギュラーを外されているにも関わらず、レギュラーと同じように毎日球場入りして、毎日練習して、ワンシーズンを過ごす」ことができただろうか。絶対にできない。 というか、できるからこそ、できた人間だからこそ、あれだけの大記録を毎年のようにうちたてることができたのだろうな、と振り出しに戻ります。つまり、勝手な妄想の段階で敵わない。ただの一般人が夢物語として、都合よく「自分だったら」とイメージしても、それでも届かない。ちょっと想像外の人間だった気がします。国民栄誉賞辞退も、2度目までなら想像はできます。同じように辞退する人間は他にもいるかもしれない。でも、引退して、3度目まで辞退する。そんな人間はいない。100回生まれ変わっても、勝てない気がします。その男の引退試合を日本の東京ドームで、実際に目撃できただけで、今回の出張はよかったなぁと思いました。 試合後の記者会見で、「日本のファンの表現力は、なんらアメリカに負けていない」と本人が言ったように、この日のファンたちの声援は、アメリカの球場で目にするそれ以上でした。「本場アメリカの応援の仕方は…」なんてセリフはもう時代遅れ。スポーツ観戦、コンサート会場、そのすべてにおいて、今の日本は、欧米よりも上手にプレイヤーを盛り上げているように見えます。本当の意味で、平成が終わるのだなと感じた日でした。

NYに比べ充実の映画館と、日本の桜の美しさ

翌日、仕事の合間に時間が空いたので、新宿の映画館にふらっと寄ってみます。NYでは毎週のようにサンダルでふらっと行く映画館も、日本の綺麗な映画館はちょっとだけ緊張気味になります。どうして、こうも緊張するのか。たぶん、カップルの割合が多いから。ニューヨークでももちろんそうですが、日本の映画館はニューヨーク以上にデートの定番スポットなのだとあらためて知りました。 デートなので、みんなちょっとオシャレしてるようにも見えます。平日の昼間にも関わらず、おっさんひとりで来ている僕は完全な少数派。NYの映画館には売られていないチュロスやソフトクリームを買いたいけど、自意識過剰で買いに行けない。誰も見てないのはわかってるんだけど。なにか恥ずかしい。勝手にひとりで。

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