千円札の新しい顔、北里柴三郎が疾走した「熱と誠」というレール

 

1920(大正9)年9月10日、京都大学の入学式で総長の荒木は訓辞を行った。その一語一語に全身を熱くして聞き入る新入生がいた。後に京大総長となる平澤興である。平澤はこう書いている。

大正9年9月10日、それは私にとって生涯忘れえない、京都大学への入学式の日である。忘れえないのは、大学の大きさでも、講堂のすばらしさでもなく、総長荒木寅三郎先生の熱と誠に満ちた新入生に対する訓辞であった。

 

総長の口から出る一語一語はまさに燃えていた

そして、こう続ける。

先生は学徒にとり最も重要なものとして誠実情熱努力謙虚を挙げられ、これらについて、それぞれ自らの体験と史上の実例などをもってくわしく説明され、われわれは催眠術にでもかかったように、全身全霊でこれを受けとめた。

 

この訓辞は私にとって決して遠い過去のものではなく、私はさらにこれを私のからだであたため私自身の経験をも加え、その肉づけを続けて今日に至った

 

いわばこの訓辞は、生涯私とともにあって私を導いてくれたのである。

人生に大事な2本のレールとは何かが、この二つの逸話に鮮明である。

熱と誠

私たちもこの2本のレールをひた走りたいものである。

image by: 北里大学(学校法人北里研究所北里大学))- Home | Facebook

致知出版社この著者の記事一覧

京セラ・稲盛和夫氏、サッカー日本代表・岡田武史氏など、人間力を高める月刊誌『致知(ちち)』に登場した各界一流人の名言や仕事術など、あなたの「人間力アップ」に役立つ情報を配信中。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 致知出版社の「人間力メルマガ」 』

【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

print
いま読まれてます

  • 千円札の新しい顔、北里柴三郎が疾走した「熱と誠」というレール
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け