読売が報じた信じがたい事件。労働現場で今、何が起きているのか

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リクルートやアップルが行なっていた「好ましからぬ商売手法」が明らかとなり、批判の声が上がっています。こうした事態を、「労働」の周辺で起きている“異変”と憂慮するのは、ジャーナリストの内田誠さん。内田さんは自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で、新聞各紙がこれらをどう報じているか、詳細に分析しています。

「労働」の周辺で起きている“異変”、各紙の伝え方

ラインナップ

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…「内定辞退予測 7,983人同意なし」
《読売》…「米中摩擦再燃 株安続く」
《毎日》…「アップル 知財無償で契約」
《東京》…「個別助成額 把握せず」

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「香港 噴き出る不満」
《読売》…「着床前診断 拡大を検討」
《毎日》…「表現の自由 萎縮も」
《東京》…「選手のパフォーマンス向上」

プロフィール

きょうは「労働」の周辺で起きている“異変”について、各紙がそれぞれ別のテーマを掲げています。1つずつ拾っていきましょう。

■リクルートの違法な商売■《朝日》
■留学生を陥れる罠■《読売》
■無理難題を押し通すアップル■《毎日》
■企業主導型に助成金バラマキの実態■《東京》

リクルートの違法な商売

【朝日】は1面トップと5面の記事で、リクルートキャリアの個人情報保護法違反について記事を展開している。見出しは「内定辞退予測 7,983人同意なし」「リクナビが販売 情報保護法に違反」「サービスを廃止」(以上、1面)、「リクナビ説明 4日で一転」「内定辞退予測廃止 学生の反発受け」(以上、5面)となっている。

内容は、【セブンNEWS】の3項目目に要約したので、再掲する。

リクルートキャリアは、就活情報サイト「リクナビの閲覧履歴をもとに個々の就活生の内定辞退率をAIに予測させ企業に販売するサービスが個人情報保護法違反だったと表明。廃止した。7,983人分については本人の同意さえ得ずに販売していた。

実にリクルートらしい賢い商売があったものだとつくづく思う。ビッグデータから「内定辞退率」とその条件を導き出して、1人1人がどのくらいの確率で内定を辞退するかについて5段階で予測し、そのデータを企業に販売していたというもの。しかも、9,000人近くの就職希望者に対しては同意も得ずに行っていた。

3面記事は、結局はこのサービス自体を廃止するに至った流れの中で、政府の個人情報保護委員会からの指摘を受けた後も、当初はサービス再開の意向だったのが僅か4日で急転し、廃止の結論になったことを強調している。当初、再開・継続を目指していたのは、余程儲かるサービスだったからか、あるいはサービスを受ける企業側からの熱望があったのか、あるいはまた、委員会の指摘を真剣に受け止めていなかったからか、のどれか、あるいは全部であろう。結局、廃止に至ったのは、「学生の心情に対する配慮不足」を理由としているようだが、専門家の中には、こうしたサービスは「権利侵害につながるもの」であり、「本来、同意の有無に関わらずやってはならないことではないか」(情報法制研究所の鈴木正朝理事長)という見方もある。今回のリクナビの決定は、結果としてはこうした見方に従った形になっているが、おそらく、リクルート関連会社の商売全体を見直せば、類似の問題を抱えたサービスが他にも出てくるのではないだろうか

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