NHKの女子アナと女性アイドルを比べてわかる、声色を決める5要素

 

では、具体的に、声色には、どういう種類、要素があるのか、挙げていきましょう。

1、高低

日本語は、アクセントが高低であるため、話し方に抑揚が付くと、声が高くなるのは自然なことです。結果、感情の高まりに伴って、声まで高まるわけですが、常に甲高い声ばかりですと、聞き手に不快感を与えかねませんから要注意です。

声を高める声色よりも、むしろ低くする声色を意識するほうが、多くの人にとって、有効かと思います。

高い声の声色をわざわざ使う時は、例えば、ヒステリックな人や変わった話し方の人を真似たりとか、ちょっと特殊な場面をイメージすることが多いですよね。

2、強弱

無段階的に、

  • 叫ぶ
  • 張る
  • 緩める

各レベルによる強弱があります。

普通に良い声と呼ばれる強度は、張っている声ですが、これは聞き手との距離によって変化する要素です。大勢の人を前にすれば、自然に張りますし、広大な場所での演説であれば、その声は叫びに近くなるはずです。

3、ひっかける

声帯をどう振動させるかで、

  • ひっかけない
  • 丸い
  • ハスキー
  • だみ声

これら各レベルがあります。

おおざっぱな表現になりますが、ひっかけるというのは、本来、素直な発声では響く必要のない部位まで、振動させてしまっている状態、イメージでいうと、ひっかけないのが、ただの黒丸だとすると、だみ声は、QRコードみたいな状態です。

ハスキーなのが魅力的なヴォーカリストが多数いるように、声帯の響かせ方は、個性の演出に直結しています。

4、細い太い

声が響く体の空間が、

  • 高くて狭いか
  • 低くて広いか

声の細い太いは、肉体的な特徴・性質に影響を受けるものです。

例えば、私はニュース番組で、外国人のコメントの吹き替えなどを担当して長いのですが、東洋人男性と黒人男性では、明らかに、声を響かせている体の空間の質の違いを感じます。

私は東洋人ですので、素のままで黒人男性の声にあててコメントを読むと、映像全体が違和感のあるものになってしまいます。黒人男性の吹き替えでは、意図的に声を太く、体の奥を響かせるように、発声することにしています。

また、東洋人男性は、高くて細い声質であることが多いため、太い声を練習することで、良い声と評価されることもあると思います。低い声の男性がモテるなどと言われたりしていますが、低くなくても、太い声がモテ声なのだと、私はひそかに思っています。

5、一つの音に含む息の量

  • 少ない
  • 多い

これはどういうことかというと、発音の仕方の問題でもあるのですが、ひとつひとつの音に息がたくさん含まれているため、いちいち「h」が聞こえる発音になるような声色です。

具体的には、森本レオさんの声真似をイメージするとわかりやすいと思います。声を張らないかわりに、息を吐いている感じ。これも声色のバリエーションのひとつに加えておきたいと思います。

このように、大まかに、5項目に分けてみました。そのほか、一音の長さ、発音の粒立ち、イントネーションなどの項目については、口調の変え方のときにお伝えしたいと思います。

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