ぬるま湯からの脱却。日本が「決めるべき覚悟」と進めるべき改革

 

日本の覚悟

このように東アジア情勢が緊迫してきているが、国内は危機感なしの状態である。量的緩和や財政出動などのぬるま湯政策に慣れて、そこから出られないようである。

消費税増税反対派の人たちは、増税で景気後退になったというが、中長期の衰退に日本は陥っているので、これを金融政策や財政出動だけでは、再度日本を成長軌道には戻せない

反対派は、日本の中長期的な衰退を認めずに、消費税増税反対しているが、今後の社会保障費の不足や少子対策などの資金が必要になる。これに対して、増税は必要であり、その時期が問題であるという人もいるが、今後、日本の復活は金融政策や財政出動だけではないので、その時期は永遠に来ない。このため、いつやっても同じで、景気後退になるだけである。

そして、今は、米国のバブル醸成時で日本株もバブル化して上昇になっているので、景気後退にすることで、このバブルを抑えることができ、増税は非常に有効なバブル抑制政策になっている。

もう1つの増税を必要ないという人たちは、量的緩和政策や財政出動だけで良いというが、それでは、中国と同様にいつかはミンスキー・モーメントになり、金融崩壊などを起こすことになる。経済の実力を上げる政策を実施しないと、未来永劫、財政出動や金融緩和だけでは、日本の復活はできないだけでなく衰退を加速させてしまう。そして、経済成長の基礎部分には人口増加が必要である。

しかし、現政府は、ぬるま湯に慣れた人たちの批判を恐れて、必要な規制緩和を進めないことや官僚の関係企業への天下りなど、昔の悪習に戻り始めている。政治家の汚職も出てきた。長期政権の緩みが出てきたことは確かである。

国家が衰退する原因は、危機感なしで、改革もしないで時を過ごしていくことである。

このため、統制経済化して、衰退する中で所得再分配を主導して、また長期のイノベーションを目指した研究開発を行う国家主導経済に一時的にしたらどうかと提案した。

そして、今後、益々東アジアは混乱してくる。米国は自国優先になり、徐々にアジアからも軍隊を引き揚げていくので、防衛費も増額が必要になり、米軍撤退となると、中国とも完全な敵対関係にはできない。

日本の経済力が減少する中での外交は難しくなり、強気一辺倒の外交政策は危ないことになる。現実を見た実力に合う外交政策が必要になっている。

移民政策や英語教育や国家主導経済など、改革が必要であるし、中国との関係を、付かず離れずというようなあいまいな関係にして、中国の力が落ちるのを待つしかない。米国から自立する必要もあり、際どい難しい外交を行う必要になっている。

どちらにしても、日本が衰退していくと覚悟して、内政・外交政策を立てる必要になってきたように思う。

さあ、どうなりますか?

image by: Shutterstock.com

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