ぬるま湯からの脱却。日本が「決めるべき覚悟」と進めるべき改革

 

トランプ再選は確実か?

トランプ大統領の弾劾裁判は、上院で否決されることが確実であるが、2020年11月再選されるかどうかは、まだわからない

米国のキリスト教福音派の有力誌「クリスチャニティ・トゥディ」が、同派の多くの信者が支持してきたトランプ大統領を上院での弾劾裁判で罷免すべきだとする論評を掲載した。トランプ氏が「ウクライナ疑惑」をめぐり「憲法に抵触し道徳にも大きく反した」ためで、福音派のトランプ氏への支持にほころびが出ている。

福音派は、強固なトランプ支持層であり、ここが崩れると民主党にもチャンスがある。しかし、福音派が嫌いな同性愛者の民主党候補が正式候補になると、福音派の支持は難しい。バイデン氏やブルンバーク氏が民主党候補になると、トランプ大統領も再選の可能性が低くなる。

このため、若手市長のピート・ブティジェッジ氏への風当たりが強くなっている。バイデン氏が世論調査で支持率トップを走るので、ブルンバーク氏の大統領選出馬はなくなったようである。民主党として、中道派の候補が民主党での正式候補になれば、軍産複合体も福音派も応援できるので、民主党としては、普通の中道派の候補にする方が良い。

ウォーレン候補とサンダース候補は左翼であり、ブティジェッジ氏は中道派であり、先に左翼を落とし、次にブティジェッジ氏を落として、軍産学複合体は、中道派で老人の民主党候補を大統領にしたいのである。

ということで、トランプ大統領は、株価上昇で富裕層の支持を取り付け、イスラエル支持で福音派の支持を取り付け、製造業の雇用を増やして、ラストベルトの労働者の支持を得て当選するというシナリオを変更する必要になっている。

トランプ大統領は、強固な福音派の支持がなくなると、軍産複合体の要求を聞き入れて、票の積み増しをしないといけないことになる。

北朝鮮の焦りと第2次朝鮮戦争か

今年の北朝鮮のコメ収穫量が昨年の157万3,000トンから136万トンになる見込みだ。このため、全人口の約4割にあたる1,010万人に対して緊急の食糧支援が必要な状況である。軍の食料も足りずに、兵士が農民に銃を向けて食糧の確保に走っている。

このような状況にあり、金正恩委員長も経済制裁の解除を米国に求めているが、非核化を条件として米国も譲らない。特に外貨獲得のために人材派遣を中露に行っているが、この人材派遣も12月21日からできなくなるので、金正恩委員長は焦っている。

しかし、中露は、人材派遣の制裁緩和を国連に要請したが、米国の反対で緩和にならなかった。このため、中露は人材派遣禁止期限に来たが、黙認するようである。

そして、北朝鮮は、米国に反発して、瀬戸際外交に戻り、長距離ミサイルエンジンの実験をしたり、短距離ミサイル複数発打ったりして、米国へトップ交渉を促しているが、米国は実務者会談を要求して、ビーガン米特別代表を38度線板門店で待たせたが、北朝鮮代表は来なかったようである。

北朝鮮は、米国との非核化交渉で、年末を期限として制裁解除などに応じるよう譲歩を迫る一方、ミサイル発射場で活発な動き続くなどの挑発の度合いを強めている。

この一環として、長距離ミサイル発射して核大国を宣言すると、危ないことになる。

今までの米国は、米朝の緊張状態になると、韓国の米軍基地にB52やF22などの滞在情報を出して、北朝鮮に緊張の緩和を促していたが、今回は、そのような情報を一切、米軍は出していない

しかし、米太平洋空軍のブラウン司令官は、「この数週間の北朝鮮の発言とさまざまな実験は、何らかの活動が行われていることを示している」と述べ、警戒していることを示した。

というように、米軍は臨戦態勢を取っていることは間違いないので、情報公開しないことは、本格的な攻撃を予定していることになる。

もう1つ、軍産複合体への支持を取り付ける必要から、北朝鮮の挑発に対して、トランプ大統領はミサイル発射基地への爆撃などを考えているように感じる。

と嫌な感じがしてきた。金正日書記長時代は、米国トップとの会談をしないで、瀬戸際外交をしてきたが、今回は米朝トップが会談をした後であり、トランプ大統領は、金正恩委員長を信頼していると言っているので、ミサイルを発射すると裏切りと見ることになる。

第2次朝鮮戦争になる可能性も高まっている。12月21日安倍首相は、トランプ米大統領と約1時間15分の長電話で、北朝鮮情勢などを協議。終了後、首相は「最新の北朝鮮の情勢について分析をするとともに、今後の対応について綿密な擦り合わせをした」と語った。

12月24日に日韓首脳会談が開かれるが、米国は日韓の友好を促すのも、この第2次朝鮮戦争への準備の一環のようだ。

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