特に運動もしていないのに筋肉痛のような痛みを感じることはありませんか?ひょっとしたらそれは、寒い時期に起こりやすい「うっ血の痛み」かもしれません。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』では今回、各部位ごとの「うっ血の痛み」の原因を解説。セルフケアにオススメの手先足先のマッサージ方法を教えてくれます。
筋肉痛じゃない「うっ血の痛み」
【運動しても取れない「うっ血の痛み」】
寒い時期の「筋肉痛」。じつは「筋肉疲労」や「筋肉の過労」が原因でないことのほうが多い。ふりかえって「無理な運動をした」ことがないのに、「急に筋肉痛」を感じるようなら、血行不良による「うっ血の痛み」かもしれません。
【たとえば「痔」が「うっ血の痛み」】
「筋肉疲労」や「過労による筋肉の傷」による「筋肉痛」であれば、温めたり鎮痛効果のあるシップや鎮痛剤で、症状が楽になります。こわばる筋肉の「緊張」を取り除くことが症状対策になるわけですね。
でも、「うっ血の痛み」の場合、「筋の中に血流の滞り(東洋医学的な考え方です)」があるため、「緊張を取り除いて」も原因である「うっ血」を取り除けないと、症状は楽になりません。
「うっ血の痛み」の代表的なものに「痔」があります。「腫れ」て「熱」をもって「筋肉の中から押し出す」ような痛みを訴える「痔核」は、「うっ血の痛み」の代表症状です。
【解決は「血管の運動」】
「うっ血の痛み」はそもそも「冷え」や「疲れ」、「筋緊張」が原因です。血管は全身に張り巡らされていて、「どこか」の血行不良が「どこかのうっ血」となっています。「うっ血症状」が起きている場所と「原因」場所に違いがあることはしばしば。
<原因>
- お尻の「痔核=肛門周辺のうっ血症状」の原因は「腸の血行不良」が原因である場合が多いです。
- 腕や肩の「うっ血の痛み」は、肩首や肩甲骨周辺の背中の血行不良が原因です。
- 足腰の「うっ血の痛み」は、腹部や背中のうっ血が原因です。
<対策>
- 「痔核」の痛みは、腸の血流を促すために食物繊維などを上手に取り入れた「腸の血流促進」を心がける食生活の見直しから始めるとよいです。
- 腕や肩の「うっ血の痛み」は、意外にも手のひらや指先(指の腹)から前腕部(手のひら側)を体幹部に向かって「血管」をさするようにマッサージすること。
- 足腰の「うっ血の痛み」も同様に、足裏からふくらはぎにかけて、やはり体幹部に向かって「血管」をさするようにマッサージすると症状対策がかないます。
「うっ血」の起こっている原因箇所や症状の起こっている場所よりも、セルフケアをする場合には手先足先の「末端」から血流を効率よく促すことで、全身の血流促進と「うっ血の痛み」の症状対策が同時にかなうわけです。
※寒い日に手先足先からのマッサージを行う際には、一度前腕までの「腕湯」か、足くるぶしまでの「足湯」をしてからの方が効果的です。
※全身の温浴をすると普段から「血流の良い場所」は血行が良くなるのですが、「うっ血」しているところの血流まで効果的に促すことができません。
寒いというだけで疲れやすいし、「うっ血」してこわばるカラダは熟睡もかないません。手先足先から血流を促すマッサージをしてから就寝する習慣があるだけで、効果的な回復を促せて痛みの予防もかなったらいいですね。
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