65歳以上でも働き続ける場合、年金はどのくらい支払われるのか?

 

1.昭和28年2月17日生まれの男性(今は67歳)

(令和2年版)何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!
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20歳になる昭和48年2月から昭和50年3月までの26ヶ月間は夜間学生として国民年金に強制加入するも全額免除にした(平成21年3月までの全額免除は3分の1に反映)。

昭和50年4月から60歳の前月である平成25年1月までの454ヶ月間は厚生年金に加入。なお、昭和50年4月から平成15年3月までの336ヶ月間の平均給与(平均標準報酬月額)は55万円とし、平成15年4月から平成25年1月までの118ヶ月間の平均標準報酬額は70万円とします。

この男性は60歳から特別支給の老齢厚生年金(以下、老齢厚生年金と呼ぶ)が支給される。

  • 老齢厚生年金(報酬比例部分)→45万円×7.125÷1,000×336ヵ月+70万円×5.481÷1,000×118ヵ月=1,077,300円+452,731円=1,530,031円(月額127,502円)

しかし、60歳以降もそのまま働き続けた。月給与は60万円とします。賞与は無し。月給与60万円と月年金額は127,502円の合計727,502円ですよね。停止基準額28万円をゆうに超えてるので年金は全額停止ですね…。だから65歳までは全く年金が貰える事は無かった。その後、65歳になると国民年金から老齢基礎年金が支給され、60歳から65歳まで働いた分の年金額が増額となる。

一応、65歳時点で65歳未満の生計維持してる妻が居たので配偶者加給年金390,900円(令和2年度価額)も加算されるとします。年金で言う生計維持されてるというのは、この事例の場合は前年の妻の収入が850万円未満(または前年所得650.5万円未満)で、住民票が同じというような場合を指す。

60歳から65歳まで働いた増額する厚生年金分(報酬比例部分)を20万円とします。

あと、以下が増える。

  • 老齢基礎年金→781,700円(令和2年度満額)÷480ヵ月×(26ヵ月÷3+454ヵ月)=781,700円÷480ヵ月×462.667ヵ月(小数点3位未満四捨五入)=753,472円
  • 老齢厚生年金(差額加算)→1,630円(令和2年度定額単価)×480ヵ月(月数上限)-781,700円÷480ヵ月×454ヵ月(20歳から60歳までの厚生年金期間)=782,400円-739,358円=43,042円

※ 少し補足

差額加算というのは、国民年金の前身である厚生年金の定額部分との差額。厚生年金(定額部分)は20歳から60歳までという制限はないが、老齢基礎年金を計算する際の厚生年金期間は20歳から60歳までの期間を使う。

定額部分というのは昭和61年3月までに存在した加入期間に比例した年金で、昭和61年4月以降は定額部分の代わりに65歳からは同じく加入期間に比例した国民年金の老齢基礎年金が支給される事になった。その時に定額部分は役目を終えて廃止された。

しかし、定額部分から国民年金に移行したものの、計算に使う期間の違いや計算式の違いで差額が出てしまう。厚年の定額部分年金は80万円なのに、65歳から国年が78万円というふうに。そうすると65歳以降の年金が65歳前より下がる事があるので、下がらないように差額を補充して下がらないようにしたもの。

なお、国民年金の最大加入期間の480ヵ月に合わせるために、定額単価計算する場合も480ヵ月を上限としています。

定額部分について(2019年8月有料メルマガバックナンバー)


よって、老齢厚生年金(報酬比例部分1,530,031円+60歳から65歳まで働いた分20万円+差額加算43,042円)+配偶者加給年金390,900円+老齢基礎年金753,472円=2,917,445円(月額243,120円)となる。


※ 注意

この男性は年金に税金が源泉徴収される年金額です(年額158万円以上支給されるから)。新しい源泉徴収は2月年金振り込みから。

この記事ではそのままの金額で話を進めます。

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