新型肺炎で判明した「事実」と、日常で行える具体的な「対策」は

 

次は、「これまでに判明してきた事実」です。

(1)感染者の状況

 

新型コロナウイルスに感染した人は、ほとんどが無症状ないし軽症であり、既に回復している人もいます。

 

国内の症例を分析すると、発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多いです。

このことは、2つのことを示しています。

  • かかったとしても過度にパニくる必要はない
  • 無症状な人が多いので、知らずに感染させてしまう人、感染しても気づかない人が多い

しかしながら、一部の症例は、人工呼吸器など集中治療を要する、重篤な肺炎症状を呈しており、季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されています。現時点までの調査では、高齢者・基礎疾患を有する者では重症化するリスクが高いと考えられます。

高齢者とか持病のある方は、特に要注意ですね。

(2)感染経路などについて

 

これまでに判明している感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫感染と接触感染が主体です。空気感染は起きていないと考えています。ただし、例外的に、至近距離で、相対することにより、咳やくしゃみなどがなくても、感染する可能性が否定できません。

 

無症状や軽症の人であっても、他の人に感染を広げる例があるなど、感染力と重症度は必ずしも相関していません。このことが、この感染症への対応を極めて難しくしています。

知らずに感染している人が、知らずに人を感染させるケースがあるということですね。

最後は、「みなさまにお願いしたいこと」です。まず、「感染したかどうかの目安」。

この1~2週間の動向が、国内で急速に感染が拡大するかどうかの瀬戸際であると考えています。そのため、我々市民がそれぞれできることを実践していかねばなりません。

 

特に、風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養してください。ただし、以下のような場合には、決して我慢することなく、直ちに都道府県に設置されている「帰国者・接触者相談センター」にご相談下さい。

 

  • 風邪の症状や37.5°C以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
  • 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある

 

※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

次に、「どうすれば、感染を防げるか」について。

また、症状のない人も、それぞれが一日の行動パターンを見直し、対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離)が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされるような環境に行くことをできる限り、回避して下さい。

そして、症状が軽い場合は、医者に行くな、だそうです。

症状がなくても感染している可能性がありますが、心配だからといって、すぐに医療機関を受診しないで下さい。医療従事者や患者に感染を拡大させないよう、また医療機関に過重な負担とならないよう、ご留意ください。

2020年2月24日 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議

の見解は、以上です。ざっくりいえば、「自分の身は自分で守りましょう」ということでしょうか。あまり意味のなさそうな見解ですが、それでも専門家会議が

この1~2週間の動向が、国内で急速に感染が拡大するかどうかの瀬戸際であると考えています。

と宣言したことは重要です。これで、イベントの中止、休校、自宅勤務の会社などが激増することでしょう。

この戦いは、いつまで続くのでしょうか?2003年SARSの流行は9か月、2015年MARSの流行は7か月でした。日本では、「今はじまったばかり」ですから、終息するのが11月頃でもおかしくありません。東京オリパラが開催できるのか、微妙です。

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