幼い頃から甘えの欲求を抑圧してきた子供は、大人になっても「幼児的な欲求不満」の気持ちをコントロールし続けたりします。この欲求不満の感情は消滅はしていないので、知らぬ間にどんどん蓄積されています。すると、なにかにつけても反射的に「ずるい」「不公平だ」と感じてしまう。それこそ、我が子が甘えてくる姿を見てもイライラしたりします。
こうした抑圧した幼児的な甘えの欲求不満を抱えていると、他人との関係性はなかなかうまくいきません。というのも、自分自身が素直な気持ちを抑圧しているために、他人の素直さに共感することが難しいし、ましてや受け入れることが苦痛に感じるからです。他人が素直さをちょっとでも出そうものなら、そういう人に対して「ズルイ!」などと思いながら、いい関係性を築くというのはちょっと無理がある話なんですね。
これを裏返せば、心に幼児的な甘えの欲求不満を抱えていなければ、他人の気持ちに自然と寄り添い共感することができやすいということが言えるかと思います。実際、そういう親は、子供が大人からしたら「どうでもいいこと」に執着し、泣き叫んだりしたとしても、「どうしたの?」「何がしたいの?」と子供の気持ちに自然と寄り添うことができます。
でも、幼児的な欲求不満を抑圧した親は「そんな小さなことで騒ぐんじゃない!」とか「恥ずかしい!」「みっともない!」などと、子供の気持ちに寄り添うことができないのです。
これは、なにも親子関係だけじゃなくて、夫婦関係、上司と部下の関係などにも言えることです。自分が無自覚に溜め込んでいる欲求不満の影響で、どうしてもイライラが先行してしまって、相手の気持ちを考えることができない…。むしろ、素直に自己表現する人を見るとイライラするみたいなことが起きやすいようです。
元々は「ケチ」とか「セコイ」と思われることを避けようとして欲求を我慢し続けてきたことが原因なのであれば、
- 「ケチくさい自分」を認める
- 誰に、なにを、どれくらい我慢してきたのかを明らかにする
- これまで我慢してきたことを、これからどうやって解消するのか具体的な行動プランを考える
- プラン通りにまずは実行してみる
- 実行したことから得られたフィードバックをもとに、さらに実行してみる
こんなふうにして、「ケチな自分」と向き合っていくことが必要じゃないかなって思ってます。
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