<東大阪市にある歯科医院の事例>
経営理念は「感動、感謝、ワクワク楽しい」で、院長が自分の生き方やスタッフが定着しないことに疑問を持ったことで定めたものです。しかし、これをみんなの前で話したところ半数が退職したそうです。そうして思いを同じくするスタッフだけで、取りくみを行った結果、厳しさがある反面やさしい空気感が生れるようになったのでした。
その後については、スタッフが大幅に増え定着率も高く、業績も全国平均の10倍にもなったのでした。
<徳島市にある精密部品メーカーの事例>
経営者が広告会社をやめて引き継いだ家業の会社は、暗い雰囲気でした。なんとかしようと考えてたどりついた経営理念が「ものづくりを通じて、みんなが物心ともに豊かになり人々の幸福・発展に貢献する」です。経営者は、この理念の浸透のために毎日社員とのメールでの対話を始めさらに毎朝1時間の朝礼を行いコミュニケーションに務めました。
コミュニケーションは圧倒的なものとなり「大家族主義」ともいうべき企業風土も生れて、社員の自主的な取り組みも高まったのでした。
<浜松市にある木造注文住宅建設業者の事例>
注文数も伸びない従業員も専門性が活かせず辞めてしまう閉塞感が漂う会社の社長になって、定めた経営理念が「夢、愛、自由を感じることに没頭する幸せを仲間と分かち合う(DLoFre’s 造語)」でした。お客様に「家づくり」の先にある「最高の幸せ」を実感していただくことを通して、社員が自分磨きの幸せをつかもうというものです。
「まちづくり」の観点から、宿泊施設の建設や駅とコラボレーションしたカフェを造るなどして、笑顔が集う場づくりがすすめられています。
3例あげましたが、いずれの企業も活気があり好業績だそうです。
ドラッカーからの言葉を添えます。「組織の優劣は、平凡な人をして非凡なことをなさしめるか否かにある」「人は理念と価値観によって動かされ、信じがたい成果をあげる」「マネジメントとは人にかかわることである。その役割は、人が共同して成果をあげることである。強みを発揮させ、弱みを意味なくさせることである」と経営(マネジメント)の要点を示しています。
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