日本の学校がつまらない「2つの理由」に潜む新しいビジネスチャンス

 

4.総合的スキルに必要な編集

具体的な検定の問題を考えていると、実は共通した問題が多い。例えば、アパレルのショップ店員もアパレル企業のデザイナー、パターンナー、営業担当も、基本的なファッション用語は必要である。したがって、ファッション用語の問題は共通でもいい。

学校の授業とは、こうした汎用的な共通項を抜き出して、基本から順番に教えている。どんな仕事にも、算数は必要であり、その仕事に関係する歴史や文化も必要である。あるいは、仕事に関する用語、商品知識。お金に関する管理、時間に関する管理、コミュニケーションや人間関係等については、あらゆるビジネスに共通している。

具体的な課題は、必ずしも、大学の学問として分類されていない。そこに社会人教育のニーズがある。そもそも、日本の大学教育は、職業毎に分類されていない。つまり、カリキュラムの編集が必要なのだ。特定の職業に必要な要素を抜き出し、それを編集する。本来、教育とはそういうものだろう。アナログな講義ではそれができない。しかし、デジタルなら可能だ。

経理担当が必要なのは、経理や税務やスケジュール管理や税理士さんとのコミュニケーション、役員や社員とのコミュニケーションである。高度な会計学の講義を受けても、これらの総合的なスキルは身につかない。そこに新しい教育の可能性があり、新しい検定の需要がある。

編集後記「締めの都々逸」

「みんな集めて 教科書配り テストやらせりゃ 学校だ」

本を書く人は多いけど、それをテストとして出題する人は少ない。テストとして出題できれば、既存の本を使ってもいいわけです。学校の教育って、出題が大切だと思います。

解けない問題を出題してもいいんだよね。だって、世界の問題はほとんどが解けない。でも、解けないと思っていたことが、技術が進んで、解けるようになるかもしれません。

でも、解きたいという思いがなければ、技術が進化しても解けません。だから、設問、出題が重要なんです。出題することで、問題点が明らかになります。あとは解けばいいんです。(坂口昌章)

image by: Shutterstock.com

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