なぜ育児のプロは我が子に中学受験をさせず公立中学に入れたのか?

 

それと…今でも思い出すのは、いじめの排除をかなり強く意識されていたことです。例えば、生徒間でのからかいや、何かを隠したり…という事は、どこの学校でもあると思うのですが、私が中学1年生(12歳)の時に、クラスメイトの靴が隠されました(友達同士の軽いイタズラです)。

ですが担任の先生は「とても重大な問題だ!」とクラス全員を残し「やった人は正直に名乗り出なさい」と徹底的に話し合いをさせました。ところが誰も名乗り出る事はなかったので、ホームルームは終わることなく、夜7時を回った段階で、生徒全員に親に電話を掛け事情を説明させ、親の了解を取った後、先生が1人1人と面接。全員の面接が終わった後、私たちが解放されたのは9時近く(通学が1時間かかっていましたから)家に着いたのは10時頃でした。でもその時に「問題は小さいうちに潰しておく」と教わった思いがしますし、今も強烈に印象に残っています。

今思うと、担任の先生の一存で、生徒を夜まで残すという事はないでしょうし、私たちが帰る時には職員室には多くの先生がおられましたから、いじめに繋がりそうなことが起きたら毅然と対処し「絶対にあいまいにしない」と学校で徹底していたのだろうと思います。ですが、そのおかげか陰湿ないじめや、障害がある子を揶揄するという事は…ほぼ無かったように思います。

逆に私の子供たちの行っていた中学では、教科書やノートを燃やされたり、体操服を切り刻まれたり、という事がありましたし、それに対して学校が積極的に介入して、何か対処をしたという事も聞きませんでした。そういう意味では「環境」を考えた時には、間違いなく私立の方が良いのだと思います。

でも私は、私立中学の受験をもろ手をあげて賛成するわけではありません。特にお勧めしないのは、偏差値の高い学校を無理して受験する事です。親としてもレベルの高い学校に入れたい、というお気持ちはよくわかります。ですが、レベルの高い学校は、間違いなく高いレベルの子供たちが集まり、そこで進む勉強のスピードも速く、宿題もどっさり出ます。すると今まで小学校では優秀でいた子も、その中では「どんなに頑張っても追いつかない」とか「勉強が苦しい」となってしまうケースが本当に多いのです。特に頑張って頑張って合格をした子は「やっと合格した」とホッとしたのもつかの間。又、受験勉強と同じような勉強漬けの日々が続いてしまいそこに耐えられなくなってしまうのですね。

小学校までは周りから高い評価をされていた子が、中学へ行ったとたん、「授業についていけない」「勉強が分からない」となった時、その落胆は大変なもので、そこから不登校になってしまうケースがとても多いのです(そんなご相談を頂くケースは本当に多いのです)。

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