美味しい香りも“悪臭”に。匂いの害はどう防ぐのが正解なのか?

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食品を扱う店舗や工場のみならず、すべての事業者が近隣住民の皆さんに対して細心の注意を払うべき事柄のひとつが、匂い対策。どんなに美味しそうな香りであっても毎日嗅がされてしまえば、それは悪臭でしかないと言っても過言ではありません。今回の無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』では、著者で衛生管理のプロでもある川岸宏和さんが、そんな「臭いの害」を防止する方法をレクチャー。「3つのポイント」がカギとなるようです。

近所に匂いをばらまいていないか

唐揚げの美味しい匂いも、毎日、毎朝匂っていると、悪臭になってしまいます。外の洗濯物に匂いがついてしまうと、苦情になります。最先端の技術で、匂いを防ぐ事を考えていますか。

美味しい匂いが、いやになる

「この家の晩ご飯はカレーだな」と散歩していると匂いを感じる事があります。台所の換気扇から、料理の匂いを感じます。散歩中の一軒ならいいのですが、毎日、窓を開けると、唐揚げの油の匂いを感じ、窓を閉めても匂う日も出てきて、洗濯物を外に干すと、唐揚げの匂いがついてしまうと、近隣の方は、「唐揚げの匂いが迷惑なんだけど」とクレームになってしまいます。

お店の壁から換気扇を出していると、屋根と壁の間に匂いがこもってしまう場合があります。換気扇側に隣の窓、ベランダなどがあると、苦情の原因になってしまいます。排気を屋根の上に取り付けることで、風にのり、匂いが薄まり、苦情を防ぐ事が出来ます。苦情になりやすい、加熱時の匂いの排気装置は、なるべく高く設置することが必要です。

最新の技術を考えているか

加熱時の匂い以外にも、排水の匂い、ゴミの匂い等があります。匂いは、ある一定時間、経ってしまうと、匂いになれてしまいます。厨房に入る前に、近隣の方の気持ちで、店の周りを歩き、匂い等の問題が無いか、確認することが必要です。

毎日、店の周りを掃除し、確認していると、近隣の方が声をかけてくれます。「ちょっとゴミ箱から匂いがするけど」等と言った声は、素直に聞き、記録することが大切です。

記録し、直ぐに対策出来ることを実施し、ちょっとお金をかけて出来る事を行い、常に、最新の技術はどうなっているかの技術情報を集める事も大切です。

同業者の情報、専門家の情報などの中には、必ず匂いを無くする最先端の技術情報があるはずです。

教育のポイント

  1. 近隣の方の立場で、匂いを点検しているか
  2. 近隣の方の話を、素直に聞き、記録しているか
  3. 匂いに関する最新の技術情報を学んでいるか

image by: Shutterstock.com

河岸宏和(食品安全教育研究所 代表)この著者の記事一覧

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【著者】 河岸宏和(食品安全教育研究所 代表) 【発行周期】 ほぼ 週末刊

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