ゼットスケーラー日本・アジア代表が伝授する「多角化経営の基本戦略」とは?

 

リクルートの多角化経営

企業が生き延びるために欠かせないこの事業の多角化ですが、実際に経営者はどのように考えているのでしょうか。今回はリクルートホールディングスの経営戦略を例に解説していきます。

私の方で、2つの公開資料を用意しました。

1つ目が『Inside Out』という決算情報を含む報告書。

2つ目は、『リクルートホールディングの成長戦略』。

どちらも公式サイトで公開されています(それぞれ上記にリンクを付けています)。

まずは『Inside Out』から、リクルートグループがどんな企業なのかを見ていきましょう。

knd20211216-2

連結売上2兆円超、利益が3,251億円とかなりの売上を誇り、利益率も高めです。

海外60カ国以上に支社を持ち、中でも注目したいのが、新規事業提案834件と、すでに多くの事業を展開しているにも関わらずさらにこれだけの提案が毎年提出されているということ。

リクルート社は、社員全員が起業家を目指すべきだという方針を持っています。

そもそもリクルートとは、その名前の通り元々人材系の会社でした。

職探しのためのリクナビや、転職エージェントサービスが代表的ですが、一般的にはホットペッパーやじゃらんなどのイメージが強いのではないでしょうか。

これらは一見して人材系とは全く別のビジネスで、ここからも多角化しているということがわかりますね。

では、リクルートは今、どんな事業を展開している会社なのでしょうか?例を挙げると、

  • リクナビ、Indeedなど人材系のビジネス
  • HRテクノロジー(人材系のオンラインプラットフォーム)
  • ホットペッパーなどライフスタイルに関わるメディア運営
  • Airpayという決済の一元管理システム

これらの、人々の暮らしに密着したビジネスをテクノロジーを駆使して展開しています。

事業内容は主に以下の3つに分類されていますが、その3つの中でも事業内容は多岐に渡ります。

knd20211216-3-2

ではリクルートグループがこの事業の多角化をどのように考えているのでしょうか。

資料の中の以下の図に答えがあります。

knd20211216-4

提供サービスの拡大(縦軸)と、対象クライアント領域の拡大(横軸)という2軸で構成されています。

もともと求人・採用や、人材派遣などの事業と、販促支援などメディア運営を手掛けていたリクルート社。

縦軸(サービス拡大)においては、人事関連業務をサポートするシフオブ、ジョブオブを展開。さらにメディア領域においては、取引先の企業にAirPAYで会計のサポートも行っています。

また、横軸(顧客拡大)においては、飲食・美容・旅行・住宅など、手広く展開しています。

このサービス拡大、顧客拡大という2軸の考え方が、多角化のキーポイントであり、まさに今回お伝えしたかった内容です。

文章にすると情報が限られますので、ぜひ読者限定の動画(「【アンゾフの成長ベクトル】リクルートから学ぶ「多角化の4つの戦略」 ~金田博之のMBA実践メルマガ」)で内容をご確認してみてください。もっと細かく説明しています。

その2軸は、多角化を考えるフレームワークとして、アンゾフの成長ベクトル(アンゾフのマトリクス)と呼ばれています。

金田博之さんのメルマガに興味を持った方はコチラ

 

print

  • ゼットスケーラー日本・アジア代表が伝授する「多角化経営の基本戦略」とは?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け