人間や動物とは異なり、一箇所にしかとどまることができない植物。しかし、子孫繁栄はしっかりとできています。それは一体なぜなのでしょうか?そんな雑学をメルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の中でご紹介。 思わず人に話したくなるお話が満載です。
『スイカのタネはなぜ散らばっているのか』
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、ひさびさに唸らされた教養本。
『スイカのタネはなぜ散らばっているのか』
稲垣栄洋・著
西本眞理子・絵 草思社
植物が子孫繁栄のために行っている戦略を、静岡大学大学院農学研究科教授の稲垣栄洋(いながき・ひでひろ)さんが、雑学てんこ盛りでまとめた、知的好奇心くすぐる一冊です。
「まえがき」で書いているように、動くことのできない植物が勢力を広げるチャンスは、わずか2つ。
それが「花粉」と「種子」です。
ご存知の通り、植物は「花粉」を飛ばしたり、虫に花粉を運ばせたりして、受粉します。こうして遠くに子孫を残して繁栄するのです。
「種子」はさらにすごくて、鳥などに実を食べさせ、遠くに移動します。しかも種子は乾燥に耐えられ、時機を待てる「タイムカプセル」なので、時間・空間を飛び越えて繁栄することができるのです。(2000年前の種子が芽を出した例もあるそうです)
本書には、こうした植物たちの驚きの生存戦略や敵に食べさせ、かつ滅亡しないための工夫が書かれている他、われわれが普段口にする野菜や穀物、果実の雑学が書かれています。
商品開発のヒントにするのも良し、ビジネス戦略として役立てるのも良し、はたまた会食やセミナーのネタとして活用するのも良し。老若男女にウケるネタがまとめられており、これは重宝する一冊です。