なぜ、スイカの種は散らばっているのか?思わず話したくなる植物の雑学

 

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

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夏が近づくと、他の植物が枝葉を伸ばし、生い茂る。そんなところで、小さなタンポポが頑張っても、光は当たらず生きていくことができない。そこで、強い植物との無駄な争いを避けて、地面の下でやり過ごすのである。ライバルが多い夏にナンバー1になることは難しいから、ライバルたちが芽を出す前に、花を咲かせて種を残すという戦略なのである。

カエデの種子は、二枚のプロペラがついたような形をしているのだ(中略)プロペラが回り滞空時間が長くなることによって、風に乗って移動するのである。

じつは、オナモミの実の中には、細長い種子が二つ入っている。やや長い種子は「先んずれば人を制す」とばかりに、早く芽を出す。早く芽を出せば、他の植物よりも有利に成長することができるのだ。まさに、ことわざのとおりである。しかし、状況もわからないまま早く芽を出すのは危険すぎる。そこで、「急いては事を仕損じる」状況に陥ったときに備えて、やや短い種子が遅れて芽を出すのである。

体の小さなリスやネズミは食いだめすることができない。そのため、すぐにドングリを食べずに土の中に隠しておく。そして、食べ物の少ない冬の間、貯めておいたドングリを少しずつ食べていくのである。ところが、一部のドングリは食べ残されたり、食べ忘れられたりもする。こうしたドングリが芽を出してドングリの木になるのである。

初夏にササの実がなると、その秋はネズミの被害でイネは凶作になる。

点を三つ並べた地図記号は茶畑である。チャの実の中には種子が三つ入っている。そして、チャが茶色く熟すと、実が割れて、三つの種子が現れる。三つの種子の並ぶ形が、茶畑のマークとなったのである。

ピーナッツは実際には木の実ではなく、エンドウと同じマメ科の植物である。しかし、硬くてナッツ類によく似た食感なので、豆のナッツ(ピー・ナッツ)と呼ばれているのだ。

じつは種子が旅立つのには、大切な理由がある。それは、親植物からできるだけ離れるためなのである。親植物の近くに種子が落ちた場合、もっとも脅威となる存在は親植物である。

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「思わず人に話したくなる」ネタが入っている本は良い本だと断言できますが、本書の場合、それが最低5つは出てきます。

カエデの種子の航空力学、アリをしたたかに利用するスミレの戦略、天敵でありパートナーであるリスやネズミの数をコントロールするドングリの豊作/不作戦略、ピーナッツの名前の由来、チアシードがダイエットに効果がある理由…。

これ一冊で、10回分の講演ネタが仕込める、濃密な雑学本です。

ぜひ読んでみてください。

image by: Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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