マジックにかかるも、かからないも自分次第
コストコの店の作り方や売り方からは、「大量生産・大量消費」を体現している印象を受けます。大量に売るために、人間心理の不合理さを活用しているとも想定されます。
ただし、そのことが悪いわけではありません。店に行くかどうか、そこで買うかどうかは消費者の自由です。自分の心理に関して無自覚に買い物をしてしまうことが、その後の後悔につながるのです。
コストコが人間の心理を利用して誘導していくならば、買う側も自分の心理について理解して行動すればよいのです。何を買うか選ぶ行為は、大げさに言えば、自分の生活を形作るための選択です。
極端に言えば、コストコでの買い物で、自粛で溜まったストレスを吐き出し、精神的に楽になるなら、それはお金に代えられない価値です。
コストコのマジックにかかってしまうのではなく、この特徴ある店舗を自分の生活において、どう活かすべきか、考えてみてはいかがでしょうか。
引用:9 割の買い物は不要である 行動経済学でわかる「得する人・損する人 」
橋本之克秀 著/秀和システム
プロフィール:橋本之克(はしもと・ゆきかつ)
マーケティング&ブランディング ディレクター 兼 昭和女子大学 現代ビジネス研究所研究員。東京工業大学工学部社会工学科卒業後、大手広告代理店勤
image by : Andy.LIU / shutterstock