“アメリカの犬”は日本と韓国だけ。バイデンを利用しようと企む姑息な国々

 

アメリカから見るASEAN、2つの問題点

ASEANはアメリカからみると大きく分けて2つの問題があります。

ひとつは、民主主義のイデオロギーで見る場合、実は専制主義的な国が多いということです。

ミャンマー、カンボジア、ラオス、ベトナム、そしてフィリピンも先日大統領選挙ありましたが、マルコスジュニアが圧勝したということで、専制時代への逆戻りが懸念されています。

インド(のヒンズー教信仰文化)もそうですが、あまりにも民主主義、人道主義的な思想を押し付けるとアメリカから離れていくことになりかねません。

もうひとつは、中国との経済的な結びつきが極めて強い地域だと言うことです。

南シナ海での領有権問題では中国が軍事基地を建設して実効支配を今この瞬間も進めており、大きな軍事的摩擦が存在しながら、一方で各国共に、中国への経済的な依存度は計り知れず、ASEANでビジネスをした方よくお分かりと思いますが、ビジネスで出会う企業や経営者の殆どは中国系、つまり華僑の方々です。

従って、余程の経済的なメリットが無い限り、米中摩擦の中でアメリカに賛同する態度を見せる国は少ないのが現状となります。

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ASEAN諸国がアメリカに求めるコト

そんな中で、バイデン政権肝いりのIPEFですが、ASEAN特別サミットを開いて、今回東京で正式発足を表明して、日韓の力も利用しつつ、ASEAN諸国の参加を募る思惑ですが、この枠組みの詳細はあちこちで報道されているので割愛します。

が、彼らがアメリカに求めているものは本質論は2つだけ、アメリカ市場の開放と、南シナ海での強力な軍事支援です。

このどちらかに於いて何某かのメリットのある枠組みを作らない限り、ASEANの国々に本当の意味で、アメリカを選択させることは難しいと言わざるを得ません。

お分かりの方はいらっしゃると思いますが、今のアメリカの民主党支持者はこの2つを2つとも嫌がっており、アメリカ議会が許す方向には全くありません。

したがって両者の意向は全く逆方向を向いているという現状に残念ながらあります。

その為に、初期段階はかなり緩い、拘束力の無いものですので、政治的に参加はしやすいですが、これがどれだけインド太平洋、特にASEAN諸国とアメリカとの連携を強化するかどうかは極めて不透明と言わざるを得ません。

一過性のアドバルーンにならないことを祈りたいと思います。

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出典:メルマガ【今アメリカで起こっている話題を紹介】欧米ビジネス政治経済研究所

image by : Fotophoto / shutterstock

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