5年空席だった北朝鮮人権大使。韓国はこれから北とどう向き合うのか

North Korea - South Korea peace concept
 

Q:北朝鮮人権大使として重点を置いて推進する具体的な活動を紹介してほしい。

A:最初は統一部主導で推進される北朝鮮人権財団の発足だ。2016年、北朝鮮人権法に設置規定を設けているがまだ放置されている。北朝鮮人権大使の主務部署は外交部だが、多くの省庁と協力し、与野党議員とも積極的に疎通して財団設立が推進されることを望む。

特にこの5年間、外交部、統一部、国情院、法務部、国防部など北朝鮮人権と関連した各省庁の機能が縮小されたり瓦解されたが、このような機能を復活させ、省庁間のシナジー効果を高める必要がある。

二番目は米国との協力だ。5月の韓米首脳会談で両首脳は、北朝鮮の人権に対して深刻な憂慮を共有した。米国の場合、バラク・オバマ大統領執権当時の2009年に任命されたロバート・キング国務省北朝鮮人権特使が退いた2017年以後、まだ空席だ。バイデン大統領は就任後、特使を任命するという公約を守っていない。

たとえ任命しても、特使承認案が上院本会議を通過しなければならない。米国も早急に特使を任命し、協力策を話し合うことができることを期待する。

第三に、国連との緊密な協力だ。韓国と米国で北朝鮮人権大使や特使の席が空席だった期間にも、国連は「国連北朝鮮人権特別報告官(special rapporteur)を維持し続けた。新任報告官エリザベス・サルマン大使が8月1日に任期を始め、8月中に韓国を訪問する予定だ。

韓国と国連の対北朝鮮人権代表の任期がほぼ同じように始まった中で、米国の特使も一日も早く任命され、3者協力がなされることを望む。

(※ ロバート・キング元特使は自由アジア放送(RFA)とのインタビューで、李教授の北朝鮮人権大使任命について、「韓国政府がより積極的な人権政策を推進するというシグナルだと思う」と歓迎の意を示した)

Q:韓国、米国、国連以外にも北朝鮮の人権と関連して推進する国際社会との協力はどのようなものがあるか。

A:欧州連合(EU)の北朝鮮人権活動は非常に積極的で一貫しており、韓国がすべきことをEUがしたという気がする時も多い。韓国の大衆にはあまり知られていないが、ASEANにも「ASEAN政府間人権委員会(Asean Intergovernmental Commissionon Human Rights)」がある。

国連の報告官はアルゼンチンに続き南米のペルー出身が務めた。今後南米にも北朝鮮の人権に対する関心を促したい。国際社会は「考えが同じ国家(like-minded)」に劣らず「考えが同じでない国々(unlike-minded)」と協力することも重要だ。

そうしてこそ「圧力と支援」の2つのトラックで北朝鮮人権増進を推進することにより広範な支持を得て説得力と効率性を高めることができる。

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