ウクライナが米国の停戦案を拒否。戦争の長期化必至で歪む世界の均衡

 

スバトボ・クレミンナ攻防戦

ウ軍は、クピャンスクからP07を南下してスバトボに向け進軍して、いるが、雪が降り泥濘が激しくなり、前進できない状態のようである。

しかし、ウ軍の機甲部隊は集結していると、ロ軍偵察隊は報告しているようだ。

ハルキウ州のロシア国境の街スタリツアにロ軍偵察部隊が侵入している。ロ軍は新しい戦線を構築する可能性がある。ロシア国境近く、補給が楽であり、防御もしやすいことからのようである。

ロ軍や世界の状況

軍事同盟CSTOの首脳会議がアルメリアの首都ティラナで開催されていたが、アルメニアのパシニャン首相は、プーチンも参加したCSTO首脳会議の宣言案などへの署名を拒否。アゼルバイジャンとの紛争でCSTOが支援しない不満があるためだ。

それと、加盟国であるキルギスとタジキスタンの軍事衝突なども表面化。その上、ウクライナ侵攻開始から9カ月が過ぎ、カザフスタンのトカエフ大統領とベラルーシのルカチェンコ大統領は、和平と停戦を目指すべきと言い、ロシアの意向とは違うことで、ロシア主導の軍事同盟は崩壊の危機に直面している。

EU会議では、ロシアをテロ支援国と認定したし、国連でも中印を含めて、インフラ施設への攻撃に対して、ロシアを非難した。

このプーチンは、ベラルーシを参戦させたいようで、ベラルーシにある原発を攻撃する偽旗作戦をロ軍は計画しているとウクライナ情報総局が公表した。ベラルーシもロシアの参戦依頼を断ってきたが、ロシアに警戒している。

というように、ロシアの孤立化が進んでいる。

特にカザフスタンは、ロシア離れが進み、米中に寄り始めている。そのカザフスタンの動きを見て、ロシア国営TVのソロビヨフは、「次はカザフスタンへの侵攻だ」と宣言した。

カザフスタンにもスラブ系民族が多く住む場所があり、そこへ侵攻される危険を認識している。ウクライナの次は、自分たちとの思いがあり、ロシアへの対抗を考える必要がある。

孤立化したロシアは、戦争を継続するために、装備から戦車まで、戦争に必要な物資の生産を増強するために、調整会議を作り、そこで、プーチンは、あらゆるものの量を増やすことを要求している。

しかし、軍産複合体(DIC)の企業には、約2万人の有能な労働者が不足しているとし、防衛産業だけでも3,800人以上不足とのことである。

その上に、イランのドローンも生産することになり、その部品調達や生産もすることになる。ウ軍がハッキングで得たイランのドローンを調べると、ドローンの部品の多くが米国や米同盟国のものであり、米国は調査を開始した。

ということで、ロシアは益々、軍事国家になる。戦争で知能労働者は国を離れ、労働者の多くも戦場に駆り出され、学徒や女性を工場などに駆り出して、国家総動員で戦争遂行に邁進するしかない。

そして、ロシアは、石油価格上限設定国への石油・天然ガスの販売禁止する大統領令を準備しているという。石油も高額では売れないことになる。中印や発展途上国や新興国に安値で売ることになる。

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