統一教会に引っかからないための注意点は?
有田:多田さんの入るプロセスは大体わかったんだけど、熊本のお母さんに「どうやったら引っかからないかの注意点」を教えてあげてください。
多田:まず、統一教会は正体隠しをするということを知っておいてほしいです。何かのサークルだとか、ボランティアだとかに行っても、そこがどういう所なのかというのを知ってから参加しないと、本当に危ない時代になってきている。まずそこを調べて欲しい。それから、講師をやっていたから分かるんですけど、親に相談する人は、基本的に入りません。親に相談しない人は、ほぼ全員入ります。
有田:多田さんは相談しなかったんですか?
多田:はい。親子関係があまり良くなかったんです。僕は良い家族だと思っていたんですが、自分が統一教会を辞める時に、家族みんなで話し合ったときに、全然よくなかったのがすごくわかりました。
有田:家族も大事だけど、友達に相談っていうのは「あり」でしょ。
多田:おっしゃる通りです。「あり」です。統一教会は、家族にも友達にも相談させないようにしてきます。友達にも相談する。親にも相談する。そういうふうにする子は、基本的には入ってこないなっていう印象が強いです。
有田:そこからさらに一歩入った人には、どういう歯止めがあるんですか?
多田:厳しいですけど、私の例で言えば、おかしいなと思う兆候があったんです。例えば、親が家に電話をかけたのに出なくなった。3日に1度電話をかけても、全く通じないと。どこか旅行にでも行っているのかなと思っていたけど、あの時に気づくべきだったと、親が言っていました。そのタイミングで声をかけるとか、何かしらアクションをしておけば、引き戻せたかもしれないと。
内田:その電話は、あえて出なかったんですか?
多田:家にいないんですもん。ホーム(教団の施設)に2週間泊まり込みをさせられていたので。そういった兆候はあるので、もしその先にいってしまった時には「こういう理由かなぁ」と思ってしまうのではなく、一歩進んで、聞いてみるということも、必要かもしれないです。今の時代は本当に危ないので。
内田:SNSなんかも発達していて、友達とかの発信がなければ、連絡をとってみるとか、そういうことって大事かもしれないですよね。
有田:そうですね。逆にSNSの時代にそれを利用して統一教会が勧誘を始めているっていうのは、最近の特徴の一つなので。巧妙だよね。
多田:本当ですね。さっきのお母さんのご質問にもう一つ答えるとすれば、これは詐欺・悪徳商法もそうなんですけど、彼らは自分の身元を言わないんです。これまで色んなマルチ商法に誘われてついていったんですが、マルチ商法も統一教会のやり方にすごく似ていて、彼らは正体を聞いても言わないです。なので、まず正体を聞いてみて、言わないところには行かない。聞けたら、それをまずネットで調べてみる。そうすると大体批判的なことが書いてあるので、そういうふうにして相手の目的や正体を知るということが、防げる一番のポイントです。
内田:多田さんが入会された時って、まだインターネットがそれほど広がっていない時期ですもんね。
有田:1992年の、多田さんも参加された桜田淳子さんの合同結婚式の時はインターネットっていうのはまだ。
内田:無かったですよね。
有田:まだ特殊な世界だったからね。
内田:だから、テレビで報じられて初めて知ったっていう方々が多かったと思いますけど。ただ入った方全員が多額の献金をするってわけでは決してないわけですよね。みんなするんですか?
多田:基本的には献金しないといけない。ただ、私みたいなお金のない人は「献身」といって、身も心も全部教団にささげて無料奉仕の活動をすることもあります。その場合は、お金のある人を連れてくるよう指示されます。
有田:さっき初めに商品は言わなかったけれど「これ、みんな飲んだことありますか?」と言った、お二人も知っている商品を販売している会社は、年商が54億なんですよ。ところが純利益は1900万円なんです。おかしいでしょ。54億売り上げて、1900万円。
これはね霊感商法も同じなんだけど、信者が販売会社に所属するでしょ。そこで霊感商法で、壺とか多宝塔とか、人を不安に落とし入れて、ものすごく莫大で不当に高額な値段で販売してお金を儲けるでしょ。そうすると、その販売会社の社員の信者たちは、まあだいたい3倍くらい、30万円給料として計上されていたら、自分の手に来るのは10万円ぐらいになるんです。あとは全部献金するんです。冒頭の会社が54億も売り上げがあって、利益が1900万円というのを知って、そういう体制は、今でも続いてるんのではないのかと思った。
内田:そういう企業って言うのは、日本にもいっぱいあるんですか。
有田:いっぱいあります。
Vol.3 爆笑問題・太田光が擁護する統一教会の不都合な真実。軍事訓練、赤報隊事件、日本破壊計画の深層 につづく