日本に辛口のNYタイムズも。世界が賞賛する日本人のW杯ゴミ拾い

 

日本の掃除の様子を撮影した動画や写真はSNSで拡散されました。しかし、それらを共有しているのはファンだけではない。

 

先週、FIFAがドイツに大逆転勝利を収めた日本チームのロッカールームの写真を掲載した。そのロッカールームは、ご存知の通り、ピカピカだった。

 

日本人に触発された他チームのファンも、試合後に掃除をするようになった。

 

東京のファンで、現在ドーハを拠点に客室乗務員として働いている岸川さんは、「私たちは、これを伝染させることができると信じています」と語った。

 

「誰かに掃除を押し付ける必要はありません。でも、もし始めたら、尊敬の念を示す良い見本になれるかもしれません」と。

 

日本のファンにとって、突然の世界的なスポットライトと賞賛の声は、誇らしさと面白さと恥ずかしさが混在している。

 

日本の文化が肯定的に描かれていることに、多くの人が喜びを感じている。

 

しかし、この騒動に戸惑う人もいる。また、ある特定の行動が日本国民全体を代表しているのではないかと、不快感を抱く人もいる。

 

ほとんどの日本人は自分のゴミは自分で捨てるが、今回のワールドカップで他人のゴミを拾って歩いたのは、ごく一部のファンだけだったのだ。

 

日本サッカー協会は日曜日、英語、日本語、アラビア語で「ありがとう」と書かれた数百個の青いビニール袋を配ったが、数千人のファンのうち、この幅広い活動に参加したのはわずか数十人だった。

 

横浜から来たというファンの天野さんは、「実は清掃に誘われたのですが、やりたくなかったんです」と語った。「私たちはただ試合を楽しみたかっただけなのです」

 

彼女は、ファンが目立つようにきれいにすることは、海外での日本のイメージアップにつながるだろうが、その動機が完全に純粋なものであるかどうか疑問に思うと述べた。

 

「スポットライトを浴びることを楽しむために、あの集団に加わって清掃している人もいると聞いています」と彼女は言った。

 

元東京都知事の舛添要一氏は日本人旅行者は現地の文化や習慣をもっと認識し、すでにスタジアムの清掃のために雇われている人がいることを尊重する必要があると提言している。

 

「日本の文明だけが世界ではない」とも書いている。

 

ところが、この掃除はカタールでは評価されているようだ。

 

日本がドイツに勝った後、スタジアムのスタッフはボランティアのグループを率いてスタンドを片付けているファンのところに行き雄たけびをあげて感謝した。

 

レバノンのベイルート出身のボランティア、ジャジバ・ザグルールさんはモロッコやサウジアラビアのファンも日本のファンに倣って試合後の清掃をしていることに気づいたという。

 

「それは雪だるま式に増えていくんです」

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