ロシア“崩壊”にも言及の異常事態。プーチンがついに「戒厳令」を口にした意味

 

ロシア領内に次々と攻撃を仕掛けるウクライナ

ロシア西部ブリャンスク州に、ウクライナから武装集団が300kmも侵入したと、ロシア政府は非難したが、ウ軍は否定した。この侵入について、「ロシア義勇軍」が実施したと宣言した。

モスクワ州コロムナでウ軍ドローンを撃墜したとロシアが発表したし、クラスノダール地方の都市トゥアプセの製油所付近で爆発があったが、これもウ軍ドローンやミサイルであったようだ。モスクワ州のは、弾頭重量75kgの1,000kmを飛ぶドローンの「UJ-22」であり、クラスノダールのは航続距離110kmで弾頭重量が220kgの「ビルハ-M」対空ミサイルであろう。ロシア領内への攻撃がウ軍もできるようになったようだ。

そして、クリミア半島でも、ヤルタ、バフチサライ、セヴァストポリ近郊で爆発が起きたというが、これもミサイル攻撃であろう。ロシア領内やクリミアでもミサイル攻撃を受けるようになっている。多数のGLSDB弾もウ軍に到着するので、クリミアも本格的に攻撃できるようになる。GLSDBを用いてのロシア領内への攻撃はできないが、こちらはUJ-22とビルハ-Mがある。

ベラルーシのマチュリシチ飛行場でロ軍のA-50空中警戒機がパルチザンに破壊されたが、この攻撃で、運用可能なA-50はロ軍に6機となる。そして、ベラルーシの防空能力を強化する必要になっている。それと、ベラルーシのA-50は検査のためにロシア本国に移動した。

それと、ロシア連邦ペルミ州で鉄道輸送されているロシアの軍用車両をみると、古いトラックやBTR-50の古い装甲車しかなく、戦車はなかったようである。どんどん、装備が古くなってきたことがわかる。ベラルーシから訓練が終わった動員兵を載せた列車がロシアに帰還しているが、その兵員とともに、T-64戦車が載せられている。こちらも古い戦車である。

ロシア崩壊について語り始めたプーチン

ロシアは、秋の動員数30万人ではなく、2022年9月以降、52万人以上のロシア人を動員したようである。このため、まだ、新しい動員は必要がないが、1日に700人の戦死者が出ているので、そう遠くない将来には、次の動員が必要になる。

クレバ宇外相は、「プーチンは再び、大敗を喫した」と述べた。ウクライナへのインフラ攻撃で、停電が起きたが、ウクライナ人は耐え、冬の恐怖に打ち勝ったと。そして、現在、電力不足はなくなっているという。

ロシアのプーチンもロシア崩壊について語り、戒厳令の可能性も言い始めている。戒厳令により、2024年3月の大統領選挙を、中止する可能性が出てきたようだ。事実、3月末までにドンバス地方を完全制圧することは無理である。今後、ウ軍のレオパルト2戦車で攻撃されたら、南部には精鋭部隊がいないので、長くは持たない。

もう1つ、ロシアの蓄えた戦費が2023年中には、底を突くことになり、その面からも長くは戦えないと、オルガルヒの1人は言う。

それと、前回、陽動作戦に翻弄されて精鋭部隊をヘルソン州に集めたが、東部ハリキウ州を攻撃されているので、その手に乗らないようである。南部は動員兵中心に守るようである。

しかし、精密砲撃により、塹壕戦での防御が難しいことはロ軍でも分かったようである。このため、要塞を各所に作る必要があるが、それは無理で、拠点防衛しかできない。

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