ロシア“崩壊”にも言及の異常事態。プーチンがついに「戒厳令」を口にした意味

 

クーデターへの警戒も怠れなくなったプーチン

この状況で、ウ軍は当初バフムト撤退を決断したが、ワグナー軍を前線から撤退させるのかを見るようである。セベロドネツクでの撤退遅れの過ちをしないように撤退も視野に入れているが、様子見である。

撤退なら、整然と撤退の方向であり、多くの部隊に撤退命令が出したが、踏みとどまっているようである。バフムト市内を流れるバフムトフカ川の橋を破壊したことで、バフムト市東部からは撤退したし、チャンプ・ヤールの東の橋も破壊したが、補給路としてT0504主要道を取り戻した。

バフムトの南側のイワニフカに攻めていたロ軍を反撃して、道から遠ざけて、T0504主要道を確保したことで、まだ十分補給ができるようになったことで、バフムトの撤退を延期した可能性もある。

北から攻めてくるワグナー軍には負け気味であるが、南のイワニフカを攻めるロ軍は弱いとして、ウ軍精鋭部隊は、積極的にロ軍を叩いたようである。その意味では、プリゴジンの言うとおりであり、ワグナー軍を前線から撤退させたら、ロ軍全体は崩壊する可能性が否定できない。

ということで、ウ軍は、ロ軍とワグナー軍の仲間割れに期待する方向のようである。ロシアは、政争でこの戦争に負けた可能性も否定できない。ジョイグ国防相とプリゴジンの戦いがあり、そして、プリゴジンのクーデターもプーチンは意識しないといけない事態になる。ロシア国内対立を見る必要がある。

しかし、撤退時は、ウ軍の殿を務めるのは第93機械化歩兵旅団のようで、撤退のために、T0504主要道の周辺を確保している。

バフムトの北のフェドリフカ攻撃のロ軍もバフムトに移動したようであり、攻撃がない。ビロホリフカのロ軍攻撃は続行しているが、ウ軍が撃退している。

当分、戦況が揺れ動く事態になる。このコラムは、3月5日朝時点での記事であり、今後の展開は変化する可能性がありますので、ご容赦ください。

1万の兵で攻撃に。バフムトの次にロシアが狙いを定める街

ドネツク方面

ドネツクのボハレダラとマリンカでは、ロ軍は大きな損害をだしたが、攻撃は失敗している。バフムト以外では、ロ軍の攻撃力が弱い。

アウディーイウカ周辺でもロ軍は攻撃しているが、撃退されている。

スバトボ・クレミンナ攻防戦

ロ軍は、この方面で大損害を出して、攻撃を中止したようであり、部隊をバフムトやボハレダラに回しているという。

しかし、クピャンスクに向けて、ロ軍機甲師団と機械化歩兵旅団の1万人で攻めてきている。このため、ウクライナ政府は、クピャンスクの町からの全住民の避難を命じた。砲撃量の増加で危険だからだという。バフムトの次のロ軍攻撃箇所は、クピャンスクのようである。

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