さらに日本は農家を保護するため、農家以外は農地を所有できないなど強い規制と参入障壁を設けているので、例えば大企業が新規参入して農地を買い集めて大規模農場を運営するのが難しい。また、米作にジャブジャブと補助金を出してきたため、農家は補助金依存して全く効率化が進んできませんでした。
これから人口減少で国内の米や野菜の消費量は減っていくのに、海外の大規模農家の収穫効率には遠く及ばず(農地も狭く、効率で劣るので)輸出もできず、日本の農業はどん詰まりです。農家も子供に農業を継がせないので、もう10年もしたら今70代の農家が働けなくなりもっと深刻になるでしょう。
なので、むしろ農業に必要なのは農家や農地を保護している規制や制度の大幅な改革だと思います。農地売買の規制を撤廃すれば大きな会社が参入できるようになって、農家が相続する際にも簡単に売却できますし、事業者が広い農地を持てれば投資効率も上がって技術導入も進めやすくなり、産業の競争力が高まって海外にも輸出できるようにもなっていきます。
農地っていつの時代の誰かもわからないような共同所有者が登記されていたりするので(~~左衛門とか)、マイナンバーと紐づかない所有者はどんどん登記から消して国有化するなどの制度対応も必要でしょう。
相続税ではなく、農業規制の問題として捉えるべきだと考えますね。つまり規制緩和です。
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