最悪32万人以上の死者も。来るべき「南海トラフ地震」にどう備えるべきか

 

南海トラフ地震と言われるものへの備え

では次の地震に備えるのはどうしたらよいでしょうか。

次の地震と言われるのが、「南海トラフ地震」です。

南海トラフ地震とは、静岡県の駿河湾から九州の日向灘にかけてのプレート境界で発生する巨大地震です。政府の地震調査委員会によると、今後30年以内にマグニチュード8から9クラスの地震が発生する確率は「70%から80%」とされています。

この地震が起きると、東日本と西日本の広い範囲が激しい揺れや津波に襲われ、最悪の場合、死者は32万3,000人、全壊する建物は238万棟余りにのぼると想定されています 。

南海トラフ地震に備えるためには、国や自治体、個人がそれぞれ防災対策を進める必要があります。

国は2014年に公表した基本計画の中で、死者数をおよそ8割減らし、全壊する建物も半分ほどに減らすという「減災目標」を定めています。

沿岸部の自治体などでは地震の揺れや津波への対策を進め、津波避難タワーなどの施設を整備したり、避難訓練を行ったりしています。個人も自宅や職場での耐震化や防災グッズの準備、避難経路や方法の確認などを行うことが重要です。

しかし、防災対策にはまだ課題も多くあります。

人口減少や高齢化が進む過疎地域では財政力が低く十分なハード対策ができないことや住民どうしの助けあいが困難になっていること、都市部では超高層ビルが増加して長周期地震動への対策が必要になっていること、デジタル技術の進展による防災情報の活用方法などが挙げられます。

また、「半割れ」と呼ばれる南海トラフの震源域が時間を空けてずれ動くケースも想定されており、その場合は2回目の地震に備えるために被災地の支援や復旧が大きく遅れるおそれもあります。

南海トラフ地震は国家の将来に関わる災害でもあります。

この10年間で社会の状況が変わってきていることを踏まえて、被害想定や防災対策を見直すことが必要です。南海トラフ地震が起きた際に社会をどう維持していくかや今後何に取り組むべきかなど議論を尽くすべきでしょう。

(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2023年5月15日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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