バカ息子は官邸で忘年会、都合悪けりゃ「解散」で脅す。無神経にも程がある岸田文雄の厚顔無恥

ak20230622
 

永田町を暴風の如き勢いで襲うも、岸田首相の一言で止んだ解散風。与野党マスコミ問わず多くの人間が翻弄されましたが、そもそもなぜこの風が吹き荒れるに至ったのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、この「解散騒動」を振り返りつつ与野党それぞれの動きを紹介。その上で、日本の民主主義が劣化していると判断せざるを得ない理由を記しています。

堕落した政治権力の象徴。解散権を脅しの道具に使う岸田の卑劣

やっぱり、この人はどうかしている。

「今国会での解散は考えていない」

岸田首相が6月15日夕のぶら下がり会見で、記者団にそう語り、その瞬間に解散風はぴたりと吹きやんだ。ところが、同時にこう言ったのだ。

「立憲民主党が内閣不信任案を出すのであれば、即刻否決するよう自民党の茂木幹事長に指示を出しました」

解散しない。不信任案を否決する。意味は分かりやすいが、この言い方はないだろう。

官邸という場所で、政府のトップである首相が、その専権事項といわれる「解散」について会見している。国会に対して責任を負うべきその人が、最大政党の幹事長に国会対応を指示したと言う。おかしくはないか。なにも堅苦しいことを話しているのではない。常識の問題だ。

都合が悪ければ「それは国会がお決めになること」と毎度、逃げるくせに、政府と国会、総理と党総裁の区別なしに、平気な顔をしている。そして、内閣記者会の記者連中はといえば、岸田氏が総理でも自民党総裁でもあるという事実によって思考が停止しているのか、何の疑義も差し挟まない。彼らの頭には「解散」しか関心事がなかったのであろう。

永田町には、世間常識とかけ離れた人々が暮らしている。秘書官だった息子が首相公邸に親戚を集めて忘年会をやり、公的スペースで戯れるのを問題とは思わない岸田首相の無神経ぶりも、むべなるかな、である。

安倍元首相は、桜を見る会という公的行事を自らの選挙活動に利用した。権力の乱用といえるものだった。岸田首相の場合は公私混同に気づかず、すべて息子のせいにして批判をかわした。こちらは、堕落した政治権力の象徴といえるだろう。

さて、わざわざ「解散はしない」と知らせるために、記者団の前に現れた岸田首相の心のうちはどのようなものだったのだろうか。

この岸田会見の時点で、すでに立憲民主党は、岸田内閣に対する不信任決議案を衆院へ提出するハラを固めていた。その速報は15日午後3時半ごろには流れていたから、岸田首相の耳にも届いたはずだ。解散する気のない岸田首相の胸に、にわかに不安が募ってきたのではないか。

衆議院解散間近を思わせる緊張感が永田町を包んでいた。議員たちはポスターの発注や選挙事務所物件の確保などで浮き足だっている。それをつくり出したのはほかでもない、6月13日の記者会見における自らのこの発言にあった。

「解散総選挙についても、いつが適切なのか、諸般の情勢を総合して判断していくわけですが、今の通常国会、会期末間近になっていろんな動きがあることは見込まれます。よって、情勢をよく見極めたいと考えております]

「いろんな動き」といっても内閣不信任案くらいしかありえない。出してきたら解散するぞ、という意味に受け取られることをわかったうえでの発言である。解散を考えていないとしてきた首相が初めて解散もありうると言い出したのだから、メディアが色めき立つのは無理もない。

本当はやる気などなかったのに、「いろんな動きを見極めたい」と思わせぶりな言い方で火をつけた岸田首相は、早く消さなければと焦ったに違いない。

この記事の著者・新恭さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • バカ息子は官邸で忘年会、都合悪けりゃ「解散」で脅す。無神経にも程がある岸田文雄の厚顔無恥
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け