なぜ、大阪の一般市民までもが「高校完全無償化」に不安を抱くのか?

School building and blue sky (educational image)
 

大阪のテレビ番組では、この「高校完全無償化」の新制度案について賛成か反対か、事前にアンケートしてみたんですが結果はこうなりました…。賛成が38.1%、賛成だがもっといい案があるが32.3%。反対が29.6%という結果になりました、と報道しています。

高校授業料「完全無償化」 吉村知事と私立高校校長が授業料の負担めぐり“直接対決”!【大阪発】

そして反対意見として、私立高校の校長先生がやってきて

「ラーメン屋の経営に例えます。1杯500円のラーメンを売って、行列ができる店になりました。ところが、ある日役所がやって来て『明日から300円で売ってください』と言われたら、どうなるでしょうか?上にのっているトッピングを削ったり、アルバイトの人を減らしたりしないといけない。学校の現場でも同じようなことが起こる。ただし、器を小さくして解決できないんです。目の前にある教育を小さくすることが教育の現場ではできないので、いま慌てて知事にお願いしているのです」

と発言するようになったのです。

実際に「一人当たり60万円」となると、それによって教育の規模が決定されてしまい、高校で行うことも決まってしまうことになります。

大学ではないですから、社会人にとって最終学歴となるものではありませんので、それほどの寄付金が集まるものではありませんし、当然に規模が少なくなるという懸念は出てくるのではないでしょうか。

同時に、そのようになった場合は、当然に高校としては人件費を削ることになりますから、優秀な高校教員はすべてほかの学校にに逃げてしまうということになり、当然に、大阪の私立高校の教育の質は大幅に下がるということになるのです。

同テレビ番組では、一般の人の言葉として(もちろん仕組んでいるものもあると思いますが)

「同じ高校に通う中でも、大阪の人は無償化だけれども、奈良の人はお金払うっていうことになるんですか?それは不公平だと思います。やるんであれば例えば近畿ですとか、もっと幅広く全国でやってもらった方が不公平はなくなると思います」

「完全無償化については、保護者にとっては本当にありがたい制度だとは思っているんですけれども、それが学校側の経営負担になったりすること=最終的に子供たちへの負担だったり、のしかかってくるのではないかという不安が…保護者として大きな懸念があります。多少の金額を払ってでも、その学校の特色あるいい教育をさせてやりたいっていう気持ちはあります」

というような声が聞かれている。

この記事の著者・宇田川敬介さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • なぜ、大阪の一般市民までもが「高校完全無償化」に不安を抱くのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け