「友人を売り渡す習慣はない」中国を突っぱね台湾との関係維持を選んだ小国グアテマラ

kb20230803
 

カネの力に物を言わせ、世界の国々に台湾との断行を迫る中国。その財力の前に「転ぶ」国も多い中、中共の誘惑をはねつけた南米の小国が話題になっています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国の要求を突っぱねたグアテマラ大統領の英断を伝える記事を紹介。さらに世界を巻き込もうという中国の一帯一路構想を、「失策」と一刀両断しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2023年8月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

中国のカネには転ばず。「台湾との断行」要求をはねつけたグアテマラ

もう一つ、一帯一路のニュースを紹介しましょう。

これまで、一帯一路は主に経済支援を必要としている国に対して、経済的投資を条件に参加させてきました。そして、一帯一路参加国のインフラ建設を請け負う一例として、インドネシアの高速鉄道建設は中国が受注して工事を始めました。

ところが「インドネシアに負担を求めない」としながらも、工事行程は延期を繰り返し、8月に開業が決定してもなお、延長を重ねた分の工費についての決着がついていません。

中国受注、インドネシア高速鉄道 「8月開業」も人材育成や収益性に課題山積

やはり中国は張子の虎で、所詮口約束は出来ても、それを実行する実力も行動力もありません。これまで伝家の宝刀として振りかざしてきた経済力でさえ、コロナ禍を経て弱ってきています。中米の小国グアテマラは、そんな中国の本性を見抜いていました。

グアテマラのアレハンドロ・ジャマティ大統領は読売新聞の単独インタビューに対して、中国から「台湾との断交」を条件に巨額のインフラ投資や新型コロナワクチンの提供など、様々な申し出を受けたものの、いずれも拒否したことを明らかにしました。

「我々は友人(台湾)を売り渡す習慣はない」と述べ、台湾との外交関係を維持する姿勢を強調しています。

「台湾と断交」条件に投資申し出る中国…グアテマラ大統領「友人を売り渡す習慣ない」と拒否

中南米やカリブ地域には、台湾と外交関係を結ぶ13か国のうち7か国が集中しており、中国の横やりによって、台湾と断交する「断行ドミノ」現象が進んでいました。そんななか、グアテマラは「台湾との断交」を条件にした融資も、コロナワクチン提供も、拒否し続けてきたのです。

読売新聞の報道によれば、

グアテマラは台湾と国交を結んだ1960年以来、友好関係を築く。ジャマテイ氏は国連総会で台湾の加盟を求めて演説し、世界保健機関(WHO)へのオブザーバー参加を支持。今年2月には台湾の無償援助で国立病院が完成した。「国の問題が発生するたびに、台湾は常に真っ先に援助してくれた」と語った。

 

グアテマラの公的債務残高は対国内総生産(GDP)比で30%未満と世界的にも低い水準であることを踏まえ、「中南米で中国は多くの約束をしながら、国民にはほとんど何も提供していない。私たちは長期的な経済政策を取る」と語った。

「台湾と断交」条件に投資申し出る中国…グアテマラ大統領「友人を売り渡す習慣ない」と拒否

この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 「友人を売り渡す習慣はない」中国を突っぱね台湾との関係維持を選んだ小国グアテマラ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け