プライドが邪魔して「知りません」と言えない人が成長できないワケ

 

動きの束縛

そういう状態は、非常に窮屈です。「動き」が取れないのです。無知を認めなければ有知には至れませんし、失敗を認められなければ修正も反省もできません。つまり、その時点の状態に居続けることになるわけです。そこでは変化が拒絶されています。

たしかにそうしたことを口にすると、ちょっとした恥くらいはかくかもしれません。顔が赤くなるくらいのことは起こるでしょう。でも、その「やや恥」状態と、変化を拒絶して同じ状態に居続ける状態を天秤にかけたらどうでしょうか。どちらがより好ましい(あるいはまだマシ)な状態と言えるでしょうか。

物事をより深く経験するために「身銭を切る」ことが大切だと言われますが、おそらくそうした「ちょっとした恥をかく」経験も同じようなカテゴリーとしてまとめられるでしょう。部分的に「損」に思えるようなことが発生したとしても、より大きな視点で見れば「得」なことにつながる扉が開いている、というような。

さいごに

「ちょっとした恥をかく」を受け入れることは、プライドを手放すことだと言えます。もっと言えば、自分の体面や権威よりも重要なものがあるのだとしっかり認識することです。

そして、逆説的なようですが、そうした認識にこそ真の「プライド」的なものが宿ってくるのでしょう。ただし、そうしたものをきつく握りしめるのではなく、遠くの方にある目標として見据えるという違いはありそうですが。
(メルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』2023年6月26日号より一部抜粋)

この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Shutterstock.com

倉下忠憲この著者の記事一覧

1980年生まれ。関西在住。ブロガー&文筆業。コンビニアドバイザー。2010年8月『Evernote「超」仕事術』執筆。2011年2月『Evernote「超」知的生産術』執筆。2011年5月『Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング』執筆。2011年9月『クラウド時代のハイブリッド手帳術』執筆。2012年3月『シゴタノ!手帳術』執筆。2012年6月『Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術』執筆。2013年3月『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』執筆。2013年12月『KDPではじめる セルフパブリッシング』執筆。2014年4月『BizArts』執筆。2014年5月『アリスの物語』執筆。2016年2月『ズボラな僕がEvernoteで情報の片付け達人になった理由』執筆。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 』

【著者】 倉下忠憲 【月額】 ¥733/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 月曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • プライドが邪魔して「知りません」と言えない人が成長できないワケ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け