甲子園なんていらない…プロ野球関係者の残酷な本音。出場経験ある球児「高校野球は先がない人のための大会だ」と主張も

2023.08.10
Hyogo, Japan - August 22,2019 - Hanshin Koshien Stadium is a baseball park located Nishinomiya, Hyogo Prefecture, Japan.opened on 1924.
 

甲子園は「先がない人のための大会」という現実

前出の甲子園出場経験のある男性は続ける。

「僕は高校卒業後に大学でも野球をやり、一般企業に就職しました。今は草野球しかやっていません。わりと強豪校だったため、ほとんどのメンバーが大学や社会人野球の世界に進みましたが、プロには行けなかったんです。もちろん、みんなプロを目指してはいるんですよ。だけど、〈俺じゃ無理〉ってことも、他の学校の凄い奴らを見ていれば自然と分かってくる。それでも、〈プロに入りたいから甲子園に行きたい〉〈甲子園に出たら必死にアピールしたい〉と考える。結果的にプロの壁は高かったけど、あそこで全力プレーができたことだけでも満足できて、自分にとって大きな財産になるんです」

甲子園よりも地方大会の球場の方が暑かった(笑)

そして彼は「だから、先がない人のための大会として“今の甲子園”を残してほしい」と力説する。

「松井秀喜さんの意見はごもっともですが、選手はあの場所とあの雰囲気で、夏にやるから意味があって、ある程度可能性のある高校の選手はみんなそこを目指している。もう、聖地になっているじゃないですか。それがいきなり東京ドームで開催とか言われても、選手は白けてしまうと僕は思います。もちろん、選手の将来を考えてというのは分かります。だけど、たとえ大学や社会人に行っても、ほとんどがプロになれないという現実がある。野球というジャンルでは“先がない人”が躍動して、誤解を招くかもしれないけど〈死ぬ気でやる〉。そして、それが最高の思い出になる…そんな場として今の甲子園を残してほしいなと感じます。ちなみに、今は違うかもしれませんが甲子園はわりと風があって涼しかったです。地方大会の決勝戦の方が、よっぽど倒れそうになるくらい暑かった(笑)」

しかし、実際に熱中症で複数の死者も出ている「殺人的酷暑」の時代という現実もある。

プロ関係者と選手たち。双方が納得する形での変革が実現できると良いのだが。

image by: beeboys / Shutterstock.com

print
いま読まれてます

  • 甲子園なんていらない…プロ野球関係者の残酷な本音。出場経験ある球児「高校野球は先がない人のための大会だ」と主張も
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け