“政界のビッグモーター”維新の会が街路樹1万本を撤去計画、自ら「第2自民党」宣言で剥がれた化けの皮

 

代表自らが「第2自民党」宣言した維新の行く末

維新の馬場代表は、7月23日に生出演したインターネット番組において、維新が目指す政治姿勢について言及。そのうえで、維新が「第2自民党」と批判されているとの指摘を受け、

「第1自民党、第2自民党でいいんです。第1、第2自民党の改革合戦が政治を良くすることにつながる。立民がいても日本は何も良くならない」(*3)

と反論。さらに野党第1党である立憲民主党との連携については強く否定する。これに対し、立民の泉健太代表は同日、高知市で記者団に対し、

「維新は党名を第2自民党に変えた方がわかりやすい」(*4)

と指摘した。

さらにそれを受けて、X(旧Twitter)では「第2自民党」がトレンド入り。Twitter上には、

「第2自民党なら政党である必要がない」
「維新がついに第2自民党であることを自白」
「今さら言わなくても、初めから知ってたよ」(*5)

などの意見が寄せられる。

歴史を振り返れば、「第2自民党」を呼ばれた政党はいくつもあった。古くは、社会党から離脱して1960年に結成された民主社会党(のちの民社党)だ。

2010年に石原慎太郎氏らによりつくられた「たちあがれ日本」、2017年に小池百合子東京都知事が立ち上げ、民進党の前原誠司代表が合流に応じた「希望の党」も、保守色が濃いがために「第2自民党」と呼ばれた。

しかし、第2自民党の行く末はどれも悲惨だ。実際、明治大の井田正道教授(政治行動論)は東京新聞の取材に対し、

「過去に自民と組んだ政党は、公明党以外は存在価値がなくなって分裂、消滅している。『第2自民党』は独自性を薄めることになり、普通はプラスにはならない」

と指摘する。「第2自民党」発言は、日本維新の会の“オリジナリティ”を自ら破壊しかねず、結果、維新の自滅への第一歩だろう。

ビッグモーターを批判できぬ維新の街路樹大量伐採

もう一つ、日本維新の会について指摘しなければならない問題は、街路樹の伐採問題だ。

現在、ビッグモーターの一連の不祥事の報道の中で、同社が店舗の前にある公道の街路樹に除草剤を撒き、枯らせていたという問題が発覚。

このことについて、大阪の吉村知事は、Twitterで、

大阪府内でも不自然な枯れ木案件が見受けられましたので、担当部局に調査の指示をしました。街路樹は公共物ですので、調査すべきと考えてます。

と投稿する。

しかし現在、大阪市では住民への説明会の開催などもないまま街路樹を大量に伐採しており、とくに2022年度から2024年度にかけては、大阪城公園などの公園樹を含め、実に約1万本を撤去する計画が立てられている(*6)。

この問題が報じられた今年2月には、SNS上で、「身を切る改革」ならぬ「木を切る改革」だと批判が巻き起こった。要は、日本維新の会は「政界のビッグモーター」のわけだ。

実際、先の吉村知事の「街路樹は公共物」発言についてはSNS上でも“ブーメラン”であると指摘する声が相次ぐ。

一方、このような反応に対し、大阪市長の横山英幸氏は、

除草剤まくのと樹木管理は別次元だよ。老朽化等管理が必要な樹木は伐採後原則植え替え。住民の安全とゆとりある都市空間創出に努めます。

と投稿したのだが、これも笑い話。

「サンデー毎日」3月12日号(毎日新聞出版)は、伐採データを市に情報公開請求した谷口るり子・甲南大学教授に取材。市が公開した伐採理由には、

「落ち葉で滑る」「木の間隔が密だから」というものや、「伐採するための道を確保するために伐採する」という笑い話のようなもの

まであったといい、谷口教授は、

大阪市は「公園樹木のヒマラヤスギは根が浅くて倒れやすい」との理由で、弱っていなくても全部伐採する方針です。しかし、他の自治体でそんなことは聞かない

と指摘している。

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