盛者必衰。終わる「日本の失われた30年」、始まる「中国の失われる30年」

 

5.腐らず努力を継続した日出ずる国。日本の復興と中国の転落

日本は中国生産の流れが止まって、新たな次元へと進化していくだろう。日本企業が中国に作ったのは20世紀型の理想の工場だった。しかし、日本国内に回帰すると共に、自動化、ロボティクス、センサー技術を駆使した21世紀型の理想の工場を目指すだろう。そのために、中国生産ブームの中でも腐らず努力を継続していたからだ。

中国はどうだろう。海外資本が中国から撤退した後、中国政府やシンクタンクは、中国の新しい産業モデルを提案できるのだろうか。そして、中国の企業経営者はこれまでの安易なビジネスモデルから脱し、本当のイノベーションを起こすことができるのか。

現状を見る限り難しいだろう。習主席の経済政策、外交政策は一つも成功していないし、習主席に意見できる人はいない。

習主席にとって、政権の安定と共産党の権力維持が最大の目標であり、人民の幸せや中国経済の発展は二の次なのだ。

このまま行けば、中国は失われる30年どころか、何年失われるのか想像さえできない。

中国の指導者に足りぬ「徳」。締めの都々逸

「被災地見舞いも しないで隠る そんなリーダー必要ない」

今回、中国で甚大な台風被害が発生しましたが、国が行ったことは、北京と建設中の新都心を守るために、周辺の農村に水を流すというものでした。

しかも、軍隊の救援活動もなければ、習主席の訪問もありません。これが大国といえるのでしょうか。

日本では、被災地に天皇陛下が出かけて、膝を突き合わせて、励ましの声をかけます。これに地元はどれだけ勇気づけられることでしょう。少なくとも、我々は見捨てられていない。日本人の一つとして大切にされていると感じることができます。

中国も指導者は徳が必要です。それによって、国がまとまるのですから。このままでは、中国は内部崩壊していくんでしょうね。(坂口昌章)

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